野中ともよ評はR30さんに先を越されちゃったので、桑野幸徳評をしておこう。

[R30]: 【速報・三洋電機】CEOは何をするのが仕事か
 うおおお。遅れたマスコミ業界のことをねちねち考えている間に、世の中でははるか先を逝くできごとが。

私にとっては桑野博士は、三洋電機のトップというより、「ミスター太陽電池」という印象が強い。だから今回の野中ともよさんより、前回の桑野さんの時の方が驚き、かつ嬉しかった。と、同時に、「こんな夢多き人が、上場企業のトップなどという因果な商売しなくても」という気持ちもよぎった。

残念ながら、桑野「社長」としては結果を残せぬまま辞任ということにはなったが、業務の選択と集中,成果主義の導入といった点では成果を上げたのだし、交代も次の通常株主総会ということで、引責辞任という見方はしたくない。「理系のキモオタの身内びいき」といえばそれまでなのかも知れないが。

残念ながら「どうせ理系は」という見方は少しは広がってしまうだろう。「それは違う」と声を大にして言いたいが,我がIT産業を見ても、「理系至上主義」が会社を傾けてしまった例はあまりに多い。つぶさに三洋電機の沿革を見れば、今回の場合はそれに当たらないのはわかるのだが、桑野博士が経営者である前に傑出した研究者にして技術者であることがむしろ色眼鏡の増長に拍車をかけることを危惧する。

今期決算は一敗地にまみれたとはいえ、三洋電機の資産は有形、無形とも雄大だ。野中CEOにおかれては、ぜひこの資産の有効活用をはかって欲しい。一単位株主としてお願いする。

また、今回「勇退」する桑野博士におかれては、GENESIS計画をさらに高い視野から進めて欲しい。そしてゆくゆくは化石エネルギー産業に引導を渡して欲しい。油屋が時価総額世界一なんて悔しいではないか。

桑野博士、お疲れさまでした!