まず結論から述べよう。

本書は旧版の書き直しではなく、全く別の本である。

旧版でかなりのページを割いて触れていたObjectは、もはや本書の主題ではなくなっている。すでにObjectはPerlにおいても日常茶飯事だからだ。Tkに至っては、ばっさり削除されている。人気がなくなったのではない。その逆で、人気がありすぎてすでに一分野として分岐しているからだ。その他、旧版にあった多くの分野がすでに独立している。

それくらい、この7年の変化が大きく、Perl5がそれぞれの用途にきちんと答えて来たという事だ。

そして、現在では選択肢はPerl5だけに限らなくなってきている。PHP、Python、RubyといったいわゆるLightweight Languageが巨大な勢力となっている。Perl5が世界に与えた影響の巨大さがよくわかる。

そんな中で、本当にAdvancedな分野をSimon Cozensが集め直して改めて書いたのが本書である。各分野が発展的に他書に移行した結果、本書は旧版よりむしろ薄く読みやすくなっている。旧版では最後の方にほんの少しだけ触れられていたPerlの内部構造が、本書の第一章に来ており、図解も格段によくなっており、Advancedというタイトルにふさわしいものとなっている。

日本人から見てうれしいのは、本書の著者Simon Cozensが、Oxfordの日本語の学位まで持っている大の日本通でもあるということだ。旧版のSriram SrinivasanがPerlの次に愛用していたのはJavaだが、SimonのそれはRubyである。今やPerlの開発はRubyなしでは語れない。

本書ではまた、Encodeに関しても詳しく触れている。それもPerl Cookbookとは違って、例題には日本語が使われている。XSまで解説されているのは脱帽するしかない。

Perl Userだけではなく、Lightweight Languageを極めたいハッカー必読の一冊である。

Dan the Tamer of the Black Panther