タクシー過剰供給問題というのは、政府の底の浅さも露呈しているが、それ以上にタクシー業界の底の浅さを露呈しているのではないか?

佐藤秀の徒然\{?。?`}/ワカリマシェ~ン:Nスペ「タクシードライバーは眠れない」
それにしても、タクシー業界の規制緩和は、規制緩和というワンフレーズ・キャッチコピーの名の下の政府による失業率上昇防止策としか思えない。

タクシー規制のありように関して、私がどう思っているかは以前「規制獣」に書いたのでそちらを見ていただくとして、佐藤さんが見落としている重要なことが一つある。

タクシーの台数を増やしているのは、政府ではなくタクシー業界だということだ。潔く事業から撤退するという選択肢だってあるはずなのだ。というより、自由競争というのはそれを促しているはずなのだ。織物、アルミ精錬、ローテクの組立て....どの産業でも、ごく当たり前に起きて来た事だ。

供給過剰による単価減少という問題は、どんな産業でもあまねく起きることだ。キャベツからマンションまで、作りすぎれば暴落するというのは資本主義化では当然起こりうることだ。それがいやなら計画経済にするしかないが、計画経済とやらがまともに計画できたためしもない。供給は計画できるが、需要は計画できないのだ。今のところは「神の見えざる手」の方が「お上の露骨な手」よりも全体として賢いようだ、というのが20世紀の教訓に思える。

この現状を打開する方法は、一世帯2台以上車を保有している世帯に複数自動車保有税を課すことだろう。あるいは新年度から一世帯3人以下の家族は身障者がいるなどのよほどの事情がない限り新規に2台目の自家用乗用車の保有を禁止することだ。

心情的には賛成したくなくもないのだが、それによって減少する自動車産業の雇用まで考慮するとどうなのだろう?

これだけでもタクシーの需要は増えるだろうし、CO2の削減にもなる。

どうなのだろうか?配車と客待ちのため、タクシーが客を1km運ぶために実際に使うガソリン排出するCO2は、2km分では効かないだろう。これはきちんと精査してみないと結論を出せないと思う。しかし、試算フェチの私でも、さくっと試算というわけにはちょっと行かない。何しろこれを試算するには、

  • 車一台を作るのに排出するCO2
  • 自家用車が排出するCO2
  • タクシーが排出するCO2

の各データが必要になってくる。どなたか試算きぼんぬ。上のデータに対するポインターだけでもOKなので。

Dan the Frequent User Thereof