「まなべ」で変換したら、最初の候補が「真鍋」だったというのはファンにはないしょ:)。でも彼女の琴線に触れそうな本でもある。「サイエンス・ゼロ」の「ゼロから学べ」の声でどうぞ。

404 Blog Not Found:「俺様書籍」山本一郎の大口
生で食べてもうまいものにうんこを付けて食べるようなまずさだ。

という具合に、ウンコは忌むべきもの、不味いものの代表として扱われるが、そんなウンコも本書の「黄金」コンビにかかれば「黄金」に変わる。

本書は、ウンコの、ウンコによる、ウンコをする全ての人のための本である。本書はウンコそのものを学び、水田におけるウンコを学び、教室におけるウンコを学んだあと、シメに世界観におけるウンコの役割を学ぶ。そしてその全編を通して、本書はウン語で書かれている。こんな感じだ。

pp.31
あの大下水道クロアカ・マキシマを建設した古代ローマにしても、その建国神話を見れば、狼に育てられ狼のウンコまみれになって乳を吸い大きくなったロムルスが城壁を作ってウンコを外に追い出した、というのがその輝かしい都市の起源なのである。
pp.78
同じ黄金色をしていても、「金は天下の回りもの」である以上に「水とウンコは天下の回りもの」だったなのである。
pp.126
つまり、ウンコを我慢して身体の中に溜め込むロビンソンの辛抱と、ウンコをひり出しながらお金を溜め込む石田梅岩の辛抱は、アヌスの鏡ならぬヤヌスの鏡である。

コラムのタイトルも「うんちく」というその徹底ぶり、筆者達の脳に宿便は残らなかっただろう。

ウンコについて書かれた本も決して少なくはない(「やんごとなき姫君たちのトイレ」のようなベストセラーもある)。ウン語で書かれた本も、特にギャグ漫画には多い(えの素はその極北)。しかしその二つをこれほど見事にマリアージュさせたの例は、本書を覗いて私は知らない。

汲取厠が水洗の洋式トイレにかわり、便所神が死んだ21世紀。トイレに是非常備させておきたい一冊。

Dan the Recycl(ing|ed) Man