これを見て矢も盾もたまらず、全巻を大人買いしたのだが....

quinta essentia - カントールの連続体仮説と無限集合のお話
手元にちょうどいい資料が無い……。
いや、待てよ。
Q.E.D-証明終了- 20 (20)
* 作者: 加藤元浩
* 出版社/メーカー: 講談社
* 発売日: 2005/02/17
* メディア: コミック

に出てるんだな。

うーむ、期待しすぎたか。

集合論そのものがトリックになっていたわけじゃないのね。「デデキントの切断」もそうだったし。「対角線論法でミステリーを解く!」というのを期待した私がバカでした。「フツーのミステリー」としては面白い方だと思うし、加奈チャンの闊達ぶりも気持ちいいのだけれども、想クンの「天才」さかげんがいまいち説得力に欠ける。

天才とか大金持ちというのは、きちんと描くのが結構厄介な対象ではある。手を抜くとすぐ「貧相」になってしまうのだ。アラン・ブレードの「金持ち」ぶりの説得力も今イチ。今時100万ドル「ぽっち」じゃ私程度でも釣れんぞ。しかもキャッシュですかそうですか。

この辺の「標準偏差から外れちゃってる」人を描くのに今のところ一番成功している漫画家は吉田秋生だと思う。その吉田秋生作品にしても、実は「本当の天才や金持ち」から結構ずれがある。よく見ると「ありえない」がいっぱいある。もっともそういうところを探すのも作品の楽しみの一つなのだけど。

駄作とは言いがたいだけに、もう少し本当の天才とか金持ちとかを取材して取り組んで欲しいところだ。

Dan the Man on the Edge of the Bell Curve