英語圏にいるがりゅうさんに日本の私が英語について講釈を垂れるというのも変だなと思いつつ、それがネットの面白さだよなと一人ごちる二重否定なEntry。

諸悪の根源は物理的:Double negative (二重否定)
「ああ、これは double negative だ。いかんいかん」 僕は何度も聞いたことがある。
[中略]
"Now I can't imagine not using a debugger.... Oh, this is double negative. Not good."
[中略]
そういうわけで、自分の中では未だにはっきりしていない。そこでここにメモしておく。

実は Double Negative には二通りある。Direct(直接)とIndirect(間接)と。

Direct
I cannot speak no English.
Indirect
I do not think you cannot speak English.

で、学校で教わる二重否定の禁止は実は前者に対してのみ。否定文からなる clause (節)をさらに否定する形の二重否定は文法的にはOKだとされているし、むしろ教育程度が上がるにつれ増える傾向があるように思える。

間接的二重否定は、元の意味を和らげるときに使うことが多い。論理的には上記の例題は"I think you can speak English."と同義だが、二重否定バージョンの方が弱く"think"している。英語に限らずおよそどの原語でも丁寧な言葉遣いの方が長ったらしいが、それはそのことによって「中間色」を出すためではないかと私は憶測している。

もっとも、間接的二重否定も、"not"を減らすように使うのがよしとされているのも事実だ。"I do not think you can not."よりも"I do not think it is impossible (for you)"というわけだ。この場合片方の否定を反義語を使って"not"を「消し込む」。

ところが、口語的には二重否定というのは「強烈な否定」になる。論理的には否定はマイナスとマイナスのかけ算でプラスという解釈だが、ここでは足し算として働くのだ。"Ain't no mountain high enough"というMarvin Gayeの有名な歌があるが、"No mountain is high enough"でヨワすぎるのだ。

間接的二重否定を反義語を使って作るのは知的だが、直接二重否定は情的。仕事が欲しかったら前者、彼/女が欲しかったら後者といったところか。

That's why I do not agree double negatives are all incorrect. Ain't no expression is invalid :)

Dan the "Not Negative" Man

追記:

isologue - by 磯崎哲也事務所: もこみち(2)
ネット上のいろんな方のご意見を読むと、これは、否定の意味をさらに強めるための強調なんだ、というご意見も多く・・・。

Seems like you can't get no satisfaction on this subject :)