漁父の利より漁場の保護を取った結果となったか。
Let's blow!毒吐き@てっく: 証券会社の真意と金融庁の気概を問ういやあ・・・2001年に電通株で下手うったときに、引けが近いって助けてもらった会社が・・・ リベンジ?ですかそうですか(爆)◎東証にきょう業務改善命令=誤発注問題で−金融庁
ジェイコム株誤発注の強制決済で利益を得た欧州系のUBS証券グループなど大手証券会社6社が、計168億円の利益をみずほ証券に対して全額返還する方向で最終調整に入ったことが14日明らかになった。
それでも、
既に決済していることから、金融当局と返還方法について協議している。みずほの損失400億円強のうち、これらの証券6社との決済分は約4割に上り、みずほ側の損失額は大幅に圧縮されることになる。
まだ漁父の利を握ったままの人が六割。おそらくほとんど個人だろう。今回証券会社が手にした漁父の利は大きいが、それで店を閉めてあとは悠々自適という額にはほど遠いし、法人である以上 Going Concern の原則にある程度縛られている。彼らはこれからも出漁しつづけなければならない以上、「網元」に遠慮したというのは当然かも知れない。
ところが、個人にとっては、一旦倉を建ててしまえばもう荒波の中遭難覚悟で網を打つ必要はない。Going Concernを墨守する義理は別にない。Bubkaの連載を持っておきながら何だが、私も告白すると最近ではあまり株を売買していない。安全な「陸の上」でも収益が上がるようになったからという理由が大きいと思う。
もしかして、この顛末は「誰が裁定者(arbitrager)になるか」ということの変化のきっかけになるかも知れない。
裁定には三つの段階がある。裁定機会の発見、裁定の実行、そして裁定後の身の振り方だ。
機関投資家は、うち前の二つにおいて個人より圧倒的に優位な立場にあった。だからたいていの場合裁定者は機関投資家だったのだが、最初の裁定機会の発見に必要な情報に関しては、機関と一般の情報格差は以前よりは縮小している。二番目の「裁定の実行」に関しては、資金力がある機関投資家が有利だが、裁定に必要な最低元本が高額であるとは限らない。10tの金塊を拾うには重機が必要だが、金貨なら素手で拾うことだって可能だ。
そして、見落とされがちなのが三番目だ。実は裁定には裁定過程で生じるリスクの他に、裁定によって網元に睨まれるというリスクが存在するのだ。「出る杭は打たれる」リスクとでも言おうか。日本はこれの強い国であったが、多かれ少なかれこの辺の事情はどの国も変わらない。
繰り返し型の囚人のジレンマにおいて、もっとも有効な戦略は、「恩には恩を、仇には仇を返す」しっぺ返し戦略が最も有効な戦略であると言う。しかし、繰り返しでない単発の際には、「裏切り」こそが最高の戦略となるのだ。
裁定の実行は最低の行為(おやじギャグ失礼)と見なされる以上、「ここでやめられるか今後も続ける必要があるのか」というのは、実は重要な分岐点である。そして「やめやすさ」において、個人は機関を圧倒的に上回る。となると、「裁定の検索と実行」力において劣っていた個人が裁定の主役になる可能性も充分にあるということになるのだ。
「君は、やり逃げることが出来るか?」--市場戦士ランダム予告
Dan the Arbitrage(r|d)
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