これから記すことは、あくまで小飼弾個人の主観的な見解、あるいは偏見です。
AV鑑賞は、ひめごと、そしてダークです。-Parsleyの「添え物は添え物らしく」これから記すことは、あくまでparsley個人の主観的な見解、あるいは偏見です。
AVを見ないヒトの中にはAVを見るヒトに口を挟むか、自分は見ないと宣言するヒトがいるように感じるが、なぜそれを言明したがるのかといえば、アダルトコンテンツを無意識に貶めているからでしょう。
まず、私はアダルトビデオ作品はいくつも見ています。「造詣が浅い」と言ったのはエロマンガなどと比較してのことで、そこに「貶める」という意思を感じられたのであればそれは私の不徳といたすところでしょう。私がアダルトコンテントに関してどう思っているかは以前書いた「エロを大切にしよう-blog編」を読んでもらうとおわかりいただけると思います。
「職業に貴賤なし」と言いますが、売春(婦|夫)からAV(女|男)優に至るまで、アダルトコンテントの主役達は、私にはとても尊い職業に見えます。文字通り体を張って商売しているわけですから。それだけに、彼/女たちの多くがそれにふさわしい自尊心を得ていることが少なく(少なくとも「AV女優」を読む限りにおいては)、そしてこの社会がそれにふさわしい尊厳を彼/女たちに与えていない状況を苦々しく思っています。
なんでそうなってしまったのか?その答えの一つが「流通」にあるでしょう。アダルトコンテントは高需要です。それはいつの時代でも変わりません。そして高需要の業種には必ず「中抜き屋」が集まります。ヒモ、ポン引きからヤクザまで....彼らが興味があるのは、体を張って築き上げたコンテントではなく、その結果生じるアガリです。仮に私が今3000円のアダルトビデオを買ったとして、そのうちのどれだけが俳優やスタッフに渡るのでしょう?
AVという分野は、フィクションであってフィクションでない、ギリギリの境界線上に立っている。
確かにシナリオはあるけれど、複数の人間が裸でくんずほぐれつしている様は嘘でもなんでもない。登場している女の子の顔にスペルマがかかって肌がカピカピになっているのは、現実にこの世のどこかで起こったことなのだ。
その通りです。シナリオは「物語」ですが、そこでの演技は俳優達にとっては「現実」です。その点は普通の映画とも違います。
それでも、完成したコンテントは「物語」として扱わねばなりません。それこそが、超えてはならない線です。なぜなら、そのシナリオを通常の生活に持ち込んで実行することをこの社会は許していないからです。
アダルトコンテント、特に日本のアダルトコンテントには、監禁や強姦といった、実社会で実行したら確実に凶悪犯として扱われる「物語」が多く見られます。アダルトコンテント中のこれらは「物語」であるが故にその存在が許されているわけです。そしてそれらを抑圧しようとする、社内と脳内の区別がつかない輩がこの世にはゴマンといます。彼らはそれに似た事件が実社会でおきるたびにそれをアダルトコンテントのせいにします。実際はアダルトコンテントのおかげで社会が平和になっているというのに。
私はそういう意味で「物語」と言ったわけです。「上下」ではないのです。「内外」なのです問題は。
SEXと同じく、AV鑑賞も「ひめごと」だ。なぜひめごとにするのかと言えば、それがインナースペースでのダークな部分が顕在化するからだろう。
その「ひめごと」のはずのアダルトコンテントの広告が、これほど多いのはなぜでしょう?そこまで「表」で宣伝しないと売れないのでしょうか?今日も私は二桁に達するエログのTB SPAMを削除しましたが、広告の氾濫は今に始まったことではありません。まだ「パソコン通信」しかなかった時代にも、電話ボックスはアダルトコンテントの広告で溢れていたものです。
AVを売り歩いているひとの立場として、ちょいモヒ(ちょっとモヒカン族っぽく)で絡んでみる。
このことがアダルトコンテントの価値を暴落させていることに、アダルトコンテント業界の人はそろそろ気づいてもいいのではないでしょうか?上記の「エロを大切にしよう」でも述べたことですが、どんなすばらしいエロでも、人間は「お腹いっぱい」になってしまうものなのです。
私がアダルトビデオをあまり買わないのは、「エロに甘えた」ようにしか見えない作品の広告にうんざりしているというのが大きな理由です。そうでない作品だって絶対あるはずですし、そのうちのいくつかは目にしているはずなのすが、広告の山に埋もれてそれが見えません。力作があったら是非教えて欲しいです。
売り歩いている人たちには、もっとこの状況に真っ正面から向き合って欲しい。それが制作者に対する最大の尊敬だと考えます。
Dan the Grown-Up
だけど、尊敬できる仕事かと問われたら考え込まざるをえない。
いざ身内がAV女/男優をしたいと言い出したならば、強く反対し、必死に引き留めようとするだろう。
秘めるべき自分の裸体とSEXを衆目に晒す行為に対する違和感、嫌悪感のようなものが僕を支配しているからだ。
一方でそのような秘め事を晒す行為に嫌悪感を抱きつつも、他方でそれを見たいとの強い思いがある。
結局、自分の性的な欲望を満たしてくれるありがたい存在として都合よく持ち上げながらも、その実、見下しているだろう。