これだから素人は、という台詞をぐっと飲み込んで、なるべく玄人でなくてもわかりやすい説明を試みる。玄人にはハテナオヤの説明で充分だろうから。

YouTubeにみるチープレボリューションの凄さ : tokuriki.com
なんつったって動画ですよ。  ブログとかmixi日記のようなテキストレベルのコンテンツに比べて、はるかにサーバーにかかる負荷は高いはずです。

徳力さんの認識というのは、「船は飛行機より遥かに大量の物資を運んでいるから凄い」というのと同程度の認識である。少し考えればわかるが、タンカーが一度に運ぶのが数十万tなのに対し、輸送機が一度に運ぶのは数百tのオーダー。そこには一千倍の開きがある。それを運ぶのに必要な人員にもそれだけの開きがあると見なしていい。

しかし、だから船の方が凄い、ということにはならないのはもうおわかりだろう。飛行機は逆にそれだけ高額なもの--人間も含めて--輸送しているのだ。そして一般人になじみがあるのは船ではなくて飛行機というのと同じように、サイトの「なじみ深さ」も実は「バイト輸送量」ではなく「バイト単価」の方にこそ比例している。ペイロード(そう、通信用語でもある)の軽いものほどよく使われ、それだけに、通常は高度かつ多数の人員が必要になってくるのだ。

むしろ、技術的難易度はビデオより写真、写真より文字、同じ文字でも長文より見出し程度の短いヘッドラインを繰り出すサイト、そして同じ文字ならパソコンよりケータイ、という順番になる。これはこれらのサイトの構築を一通り経験した上での実感である。

ご存知のように、mixiはケータイもやっていて、これに関してのユーザーとしての体験は私なんぞよりもむしろ徳力さんの方がよくご存知だろう。それであのトラフィックをきちんと裁いているというのは実にどえらいことなのである。しかもケータイのトラフィックに関しては、Alexaには反映されないのだ。

YouTubeなら力技でなんとかなるが、mixiやはてブはそうは行かないというのが、現場をいくばくか知る人間の率直な感想である。

Dan the Scalable Man

P.S. むしろYouTubeにこれから必要なのは、技術力でも資金力でもなく法務力のように思えてならない。こんなの見せられたらねえ。