本書を書評するには絶好の日和とでも言おうか。

老年人口21%で世界最高、年少は最低…日本 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
日本の老年人口(65歳以上)の割合が21・0%で世界最高になる一方、年少人口(15歳未満)は13・6%で最低となったことが、総務省が30日に公表した2005年国勢調査の抽出速報集計結果で明らかになった。

本書は、団塊の世代の最後、1950年に生まれた著者による団塊の世代の現状と提言である。

「団塊の世代による団塊評」の中では、最も「自分たちに厳しい」評だと言える。その点は「団塊老人」などの類書とは一線を画している。目次を見るだけで、それは明らかだ。

第1章 蔓延する蕎麦打ち男
第2章 それでいいのか団塊男!
第3章 もう一度、燃えるような恋がしたい、だと?
第4章 団塊男の闇
第5章 団塊の女たち
第6章 シニアとは呼ばせない!
第7章 このまま朽ちるな!

特に第4章の「団塊男の闇」は必見だ。

pp.150
警察庁の友人の話によれば、若干のズレはあるが、大まかに言うと、団塊の世代が二十代の時は、二十代の殺人者が、三十代になると三十代の殺人者が、そして団塊の世代が四十代に入ると今度は四十代の殺人者が多くなっていったというのである。
pp.151
革新的なようでいて保守的、男女平等を掲げながら根は男尊女卑。反体制が好きなようでいて実は権威主義、つまりアンビバレンツなところが人を惑わしているとも言えるのだ。

となかなか手厳しい。少なくとも自己批判に関してはさすが安保世代だ。

しかし、提言となると、なんとも「団塊的」なのだ。

Amazonの書評より。
子供を産むことすらリスクととらえる時代にしてしまったことへの
反省点はまるでなし。
それどころか、
「引退しても、動け!一生塊でいよう!」など、
従来のスタイルと変えるつもりはないらしい。

団塊の世代の一番の問題は、他の世代に語りかけてこなかったことにある。確かに「アンビバレンツ」では、人を動かす言葉は出にくいだろう。

しかし、彼らは言葉よりもさらに強く人を動かすものを、今後3年間で手に入れるのである。

金、である。

そしてそれにものを言わせるにあたってさらに重要なものも得る。

暇、である。

金と暇の双方が揃ってはじめて出来ることは何か?

投資、である。

Espresso Diary@信州松本:ウォーレン・バフェットの寄付。
バフェットも、ビル・ゲイツも、セミ・リタイアの道に生きがいを見出そうとしているように見えます。急速に高齢化の進む日本こそは、セミ・リタイアの多様さを描くメディアが求められているのではないか。

そして投資にあたってもっとも重要なのは、独立性と多様性である。

「あいつがあれ買っているからおれもあれ買う」というのは、投資で損する最短の近道なのだから。

団塊の世代のみなさん、蕎麦打ちより、再就職より、もっと面白くて次世代のためになることがあります。

投資というバクチです。

会社をやめて会社を買いましょう。

どの銘柄かわからなければ、とりあえずインデックスファンドでもいいのです。それでもちゃんと次世代に金がまわるのですから。

その時に大事なのは、「どう儲けるか」ではなく、「自分は投資を通してどんな世にしたいのか」ということです。損したっていいじゃないですか。追証はあの世まで追ってこないのですから。

これは、絶好にして最後のチャンスなのです。

Ask not what your country can do for your money. Ask what your money can do for the country.

Dan the X Generation