これって誤ったプロセスのもとに出た「正解」だけど、先生は○をつけてくれないだろうなあ。

中国、韓国と仲良くした方がいい?しなくてもいい?−石田衣良の白黒つけます!!:MSN毎日インタラクティブ
今回のこたえは数字のうえでは「しなくていい」派が圧倒的だったけれど、応募しなかった多数のサイレントマジョリティを考慮にいれて決定させてもらいます。中国・韓国とは仲良くしたほうがいい。

サイレントマジョリティが何と言うまいが、中国と日本はすでに合州国と日本よりも仲がいい。

THE WORLD COMPASS
日本の輸入シェアに米中逆転
 ここ数年、中国から日本への輸入が急増している。財務省の貿易統計によれば、輸入全体に占める中国(含香港)シェアは1998年の13.8%から 2001年の17%に拡大し、逆に米国シェアは1998年の23.9%から2001年の18.1%へ低下してきた。さらに今年1−10月に米中逆転が実現され、中国(18.7%)は米国(17.4%)を上回り、日本の最大輸入元となった(図表5)。

このグラフを見て、どこをどうすれば「仲良くすべきでない」などという寝言がいえるのだろうか。

おそらく一番の勘違いは「仲良くする」を「好きになる」と混同していることにある。このアンケートの一番の特徴は「仲良くすべきでない」という人の多寡より男女差なのだが、これを見る限り女性の方がそのあたりをよく分かっているように思える。好きでもない旦那と仲良くしなきゃいけない奥方が多いからというのはうがち過ぎだろうか?

お金というものの最大の効用の一つは、この「好きになりにくい相手」とも「仲良くする」することを可能にすることにある。お金を間に挟むだけでこの通りである。もし鄧小平の復活が早かったら、日本はもっと早く中国と「仲良く」なれたかも知れない。

しかし、お金は逆に「好きな相手」と「仲良くなる」機会を失わせるという点も忘れるべきではないだろう。北京とチベットでは、「西洋諸国」(the West; 日本も入る)の市民はどちらが「好きか」といえば、チベットの方だろう。しかしチベットには少なくとも今のところお金はない。北京を差し置いてチベットと「仲良く」するのはあまりに恐い。もしチベットが「金持ち」だったら、インドももっと「仲良く」なろうとして、結果として独立を保てていたかも知れない。

合州国がイラクには侵攻しても北朝鮮にはしないのも同じこと。

このとおり、好きになりがたい相手とつきあうためには、金が要る。私は過去数日のentriesで「景気拡大中毒はもう結構」と言ったが、その一方、少なくとも世界と仲良くする程度の経済力は確保しておくべきだとも考えている。しかし、それはあくまで「仲良くする」ためであって、大国とタイマンを張るためではないのだ。だから、単に経済力を確保しているだけでは駄目で、上手に使う必要がある。

ましてや、世界に対する日本の相対的な経済力は今後下がって行かざるを得ない。その行使はより慎重でなければいけないだろう。経済力と軍事力で横車を押すのは、一番の金持ちにしか許されない特権なのだ。

好きになるのも嫌いになるのも権利だが、他者と仲良くするのは義務なのだから。

Dan the Friendly Man