これに同意する一方、やはり「普通においしい」を普通に使えるようにするためには、単に日常使うだけではなくて、それを辞書化しておきたいとも思う。
平野啓一郎公式ブログ - 「普通においしい」言葉というのは、生きているわけですから、現代人は現代人なりの必然によって、好きなように工夫して言葉を遣えばいいわけです。無理があればすぐに廃れるでしょうし、しっくり来れば定着するでしょう。そういう変化をまったく認めずに、「普通においしい」という言葉の意味さえ分からないと言ってる人は、本人はそれで「美しい日本語」を守ってるような気になってるんでしょうけど、言葉に対して、無意味に硬直した態度に陥っているとしか思えません。
ところが、一つの用例が成立し、それが辞書に反映されるまでは今まではずいぶんと長い時間がかかった。更新の早い英米系の辞書でも数年、日本語だと十年以上かかることも稀ではない。なぜそうだったのかと言えば、ひとえに編集力が足りなかったから。辞書の作成というのは手間がかかる割には報われにくい。だからそれほど「辞書屋」になろうという人はいなかった。グリム兄弟から金田一一族まで、辞書の作成というのは地道な作業に耐えられる一部の人が少しずつこつこつと行うものだった。
Webの登場は、これを一変させた。百万人によって書かれた辞書というのが本当に可能になったのだ。
事典に関しては、すでにWikipediaという大成功例がある。私自身、検索エンジンに匹敵するぐらい使っている。
ところが、これを辞書的に使おうとすると、やはり耐え難きもっさり感がある。辞書に相当するものはもっとさくさくと動いてくれないと困るのだ。それを反映してか、Wikipediaの充実ぶりと比較すると、Wictionaryの貧弱さは目立つ。本entry辞典、もとい時点で、「普通」すら乗っていないのだ。
一方、Googleでは"define:wordとすることで、辞書検索にも対応している。が、これは現在英語だけ。よしんばこれが日本語で使えるようになっても、いちいちオンラインで検索するというのも骨である。
私が欲しいのは、
- Wikipediaのようにオンラインで編集しながらも
- IMEのようにオフラインで使えて
- 実際IMEの辞書にも使える
- 辞書システム
なのだ。
例えば辞書の更新をRSSで受け取るなんてことが出来たら素晴らしい。それが検索エンジンと連携していて、頻度情報などもあるともっと素晴らしい。頻度情報まで含むとなれば、もはや紙では無理である。
こういうことこそ、大手検索サイトが率先してやって欲しいのだけどなあ。仕組みぐらいなら手伝いまっせ、普通に手伝える範囲で。
あと、Webで不足というよりないのが、漢和辞典。これはインターフェースからして少し開発が必要だけど、これはもっと欲しい。曲がりなりにも「普通の辞典」であればWebから引けるので。
Dan the Dictionary Mania
平野啓一郎氏のブログの文章の分かりやすさにびっくりしました。
芥川賞受賞時の若さと文章の難しさで話題騒然となり、
同じときにやっとこさで直木賞を取った宮部みゆきが
すっかりかすんでしまったのが今でも恨めしいです(笑)