問題は、この統計が信用できるかどうかだ。

大西 宏のマーケティング・エッセンス:日本人は働きすぎって本当でしょうか
前振りが長くなりましたが、OECDのレポートでは、単純に各国間の比較はできないという注釈はありますが、1990年あたりから日本の実労働時間は急激に減少しており、2000年あたりからはアメリカとほぼ同じ程度とはいえ、アメリカよりもやや労働時間は短くなっています。これって以前は結構話題になっていたはずです。
>>社会実情データ図録

私には、こちらの方が実情に合っているように感じる。

サービス残業を追放しよう
では日本の労働者はサービス残業をどれくらいさせられているのでしょう か。この計算は通常、1.労働者個人(世帯単位)を対象とする「労働力調査」による推計年間労働時間から、2.事業所が提出する「毎月勤労統計」の年間総労働時間を差し引く方法が用いられます。1997年のフルタイム労働者についていえば、1.が2300時間、2.が2000時間であり、「サービス残業」(1.−2.)は年間一人平均300時間にも達します。
 「連合」が組合員におこなった調査によると、労働者は平均月に29.3時間(年間351.6時間)のサービス残業をしており、金額に換算すると月額6万円(年間72万円)以上のただ働きになります(99年「連合白書」)。

しかもこれは全産業の平均で、エンジニアともなると右の図の通りである(短期開発で増加!「サービス残業」減らないのはなぜ?/Tech総研より)。

とはいえ、

サービス残業を追放しよう
社会経済生産性本部が昨年5月、サービス残業をなくした場合の雇用効果を試算しました。それによると、サービス残業をやめれば90万人分、手当の出る残業を含めすべてやめれば260万人分の雇用機会を創出できるということです。

と、単純割りが出来るかと言えばそうも行かないだろう。人月計算できる職種ならとにかく、そうでない職種もあまりにも多い。というより、人月計算できる職種は、すでに非正規雇用化されているか、その過程の中にあると見なした方がよさそうである。

とはいうものの、

極東ブログ: 週休三日の時代は来ないのだろうか
現代の日本では非正規雇用が労働者の三分の一を占めるようになった。ということは、ホワイトカラー・エグゼンプションが問題になるのは多くても残りの三分の二。そして現状では非正規雇用のほうが社会問題だろう。ホワイトカラー・エグゼンプションが問題になるだけ恵まれた人が多いなとも思う。

人月計算もままならず、「サービス残業」に依存している職場が2/3もあるかというと、これもまた疑問なのである。むしろ比率としては、「なんとか別の誰かに任せることが出来る」職種が2/3以上で、「この人でないと駄目」という職種は1/3以下なのではないか。そもそも「エグゼンプション」(exemption;例外)の方がそうでないものよりも多いというのは洒落にならない。

極東ブログ: 週休三日の時代は来ないのだろうか
話が少しずれるのだが、この問題が社会で騒がれているとき、私はちょっと別のことをぼんやり考えていた。日本の労働者はいつになったら週休三日になるのだろうか、と。

実のところ、週休三日はそれほど難しくないのではないかと時々考えている。自営業をしていると、しょっちゅう祝日を忘れるのだが、日本にはこの祝日が15日もある。盆暮れを除いても、平均すると月に1日以上祝日がある計算になる。感覚としては、事実上週休2 1/4-1/3日という感じがする。

その一方で、コンビニは7/11どころか24/7だし、休日や祝日に仕事をしている人だって少なくない休みは確実に増えているが、皆一斉に休むという機会が減り、そして部門によっては休むに休めないという、「典型の消失」というのが、労働環境をとりまく長期トレンドのようにも思う。

全体を俯瞰してみれば「特定部門への労働時間集中」の問題さえ重点的に解決すれば、週休三日というのも夢ではないようにも思うのだが、この特定部門への集中というのはそもそも問題にさえされていないように思える。確かに医療関係者やエンジニアといった分野はよく知られてはいるものの、「サービスの提供が滞る」ということは問題にされても、「関係者の福祉が損なわれている」という観かたがなされていないのはなぜだろうか。

Dan the Self-Employed