これを信じる前に、これを読んで欲しい。

分裂勘違い君劇場 - お肉に含まれるタンパク質はたったの2割程度
たとえば、以下の食品成分表*1を見てわかるように、最終的に体内で利用されるタンパク質の量を単位カロリーあたりで見ると、牛肉よりも納豆の方が34%、豆腐の方が55%多くタンパク質が含まれています。

「あるある」とまでは行かないけど、これがいささか短絡的なのがわかるから。

本書「脳の栄養失調」は、脳の観点から現在の食生活を考察した本。特に甘いものや肉をダイエットで遠ざけることの危険に対して警鐘を鳴らしている。

目次
  • 第1章 脳に危険なダイエット
  • 第2章 ダイエットは脳にどう影響するか
  • 第3章 脳はおいしいものが好き
  • 第4章 グルメ脳の仕組み
  • 第5章 脳の甘党宣言
  • 第6章 糖尿病は「脳の糖分不足」
  • 第7章 脳を元気にする肉料理
  • 第8章 脳には欠かせない脂肪酸
  • 第9章 脳にはコレステロールが必要
  • 第10章 脳と脂肪と性ホルモン
  • 第11章 脳が欲しがる亜鉛とビタミン
  • 第12章 脳が喜ぶ食べ物
  • 第13章 惚けずに長生きするために

肉に関するところだけ要約すると、確かに「タンパク質」トータルで見れば、植物から充分取れるような印象を受けるが、著者の高田氏は「それではセロトニンの原料となるトリプトファンが不足する」と解く。

p.109
 植物色の食べ物でも、大豆食品はトリプトファンが非常に多いことが知られています。可食部100グラムで比較すると、糸引き納豆も乾燥大豆も、むしろ食肉に勝るぐらいです。
 ただし、可食部を比較するときは、生の肉と乾燥大豆のデータを使います。実際に食べるとき、肉の水分量はあまり変わりませんが、大豆は水分が大幅に増えます。そこで、乾燥大豆は十二パーセントくらい水分を含ませて食べるとして計算すると、図7-6のようになります。
 これらの図を見ると、米やさつまいもでトリプトファンを必要なだけ摂取しようとすれば、大量に食べなくてはならないことがわかります。大豆でもかなりたくさん食べる必要があります。

あと本書では指摘されていないが、植物タンパク質だけだと、リジンも不足する。不足するアミノ酸を植物タンパク質で充分取ろうとすると、今度は他のアミノ酸が過剰になる。植物だけで必須アミノ酸をバランスよく摂取するのは本当に大変なのだ。

そしてなんで我々が「ダイエットの敵」である甘いものや肉が好きかといえば、我々の脳がこれらを欲しているからだ。詳しくは本書をご覧いただくとして、少なくとも脳は何の必然性もなしに肉が好きなわけではないのはわかる。

コストや地球環境も大事だが、それで自分の脳をいじめては本末転倒だろう。この考えを推し進めると、「やっぱ漏れのような穀潰しは環境の敵」ということで行き着くところは自殺ではないか。

とりあえず小魚をいっぱいたべようか:)

Dan the Multivore