With all due respect, I disagree. So would Bill Gates.
On Off and Beyond: 日本発のソフトが少ないのは日本人が英語が苦手だから日本のソフトウエアは自動車同様、ほとんど保護を受けなかった産業の一つだが、そのグローバル競争力は地を這っている。
「フラット化する世界」を読めば、Bill Gatesがいかに日本人のソフトウェア開発力を高く評価しているかがわかる。実際ゲームソフトの世界では、世界を支配しているのは合州国ではなく日本である。
また、合州国ブランド出ているソフトウェアにも、日本で開発されたコードがかなり入っている。今時のOSは英語以外の言語もきちんと扱えるようになっているが、これは日本人なしにはありえなかった。WindowsでもOS XでもLinuxでも英語以外(日本語とは限らない)が扱えるのは、そこに英語が不得意であるにも関わらず、世界第二の市場である日本があったからだ。
違うのだ。元の設問にしてから違うのだ。そもそも、米国籍以外のソフトウェア企業が世界を席巻していることの方が稀なのだ。日本はまだゲームとRubyがあるだけましだ。欧州を見てみればそれがわかる。目立つところではドイツのSAPぐらいではないか。
合州国の強さ。それは自国でオリジナルのものを開発する力ではない。事実LinuxもPythonも、そしてRubyも合州国発ではない。合州国の強さ、それは他国籍のものを自国籍にしてしまうことだ。他がチェスのルールを強いられている中にあって、一人合州国は将棋のルール、すなわち取った駒を自分の駒にするというルールで戦えているのである。はじめからマトモな勝負ではないのだ。
それを可能にしているのが、世界最大の経済と、そして英語。世界で勝負するには、英語でリリースしなければならない。しかし英語でリリースした途端、今度は合州国から声がかかるのだ。Linuxの作者もPythonの作者も、今は合州国在住だ。そしてなぜそれが可能かと言えば、彼ら自身のみならず彼らの周りの人々も英語で生活ができるからだ。Linus Torvaldsはフィンランドの、そしてGuido van Rossumはオランダの出身。欧州の小国の人々は、皆英語を母国語のように操るが、そうしないとやっていけないからそうなっているのだ。
英語を操れないと世界デビューはままならず、そして世界デビューした途端に合州国から声がかかる。このジレンマをどう解決していくか。
ネットは、その解決法の一つだろう。これのおかげで、世界レベルのハッカーも自国にいながらにして世界に打って出ることができる。Matzさんもその例外ではない。東京出張や海外出張は欠かせないが、今のところ松江でなんとかなっている。これは頂点(summit)の話だが、裾野レベルではインドがその波にのっている。
確かに、今もって「ソフトウェアの世界ブランド」は米国籍のものが圧倒的だ。しかしその中身を見ると、すでに他国籍になって久しい。あとはブランドをどうしていくかだろう。なぜブランドが大切かといえば、それこそが金を生み出すものだからだ。すでにソフトウェア開発力だけ見れば、合州国が圧倒的優位に立っているようにはとても見えない。しかしブランドを抑えているが故に、いちばんおいしいところが合州国に落ちるようになっている。
この構図を変えない限り、英語力を向上させるのは、「日本発のソフトを増やす」どころか、「日本発のソフトがいつの魔に米国籍になっていることを増やす」ことにしかならない。それだけは確かだ。
Dan the Nullingual
「私が作ったんだ!」と主張したい(ブランド戦略)のであれば、著作者人格権を尊重する形で販売してもらえるように販売元と交渉すればいいだけどのことです。ゲームや映像ソフトでは著作者人格権を尊重する文化ができあがってるのでスタッフロールがついてます。
日本のソフトウェア企業はゼネコンのヒエラルキに組み込まれてることが多いのでブランド戦略なしでも受注できます。だから必要性がないんでしょうね。そのような企業でも今後国際的な競争にさらされることになるとブランド戦略が必要になってくると思います。ときがくれば、日本企業に実力があれば日本ブランドが目に付くようになると思います。