社会実情データ図録が好きな人なら、本書は絶対に楽しめるはずだ。

勘違いするといけないので最初に言っておくと、本書は価格1万円の世界地図ではなく、価格819円(税込み)の新書である。

本書「1万円の世界地図」は、コラムを除いて全ページが左のページがグラフ、右のページがその解説という本である。どんなグラフが出てくるかというと、日本経済と世界経済に関するあれこれ。社会実情データ図録の経済・GDPがそのまま本になった感じだ。

目次
  • 一章 世界の街角で一万円を使う
  • 二章 世界と日本の賃金・購買力を比べてみた
  • 三章 世界に拡がる格差問題を知る
  • 四章 日本の実情と実力をあからさまにする
  • 五章 日本の格差の本当のところを知りたい
  • 六章 日本人に生まれて幸せか

こういったものは、「ページ」としてはWebの方が充実しているかも知れないが、やはり片手で読めてまとまっているのもいいものだ。それぞれの話題が二ページで完結しているのもよい。ノンフィクションのショートショートという感じだ。最初のページから最後のページまで気を抜けない本を読んだ後には、こういう本もいいのではないだろうか。

にも関わらず、本書はなんだか仰々しい売り方をしている。帯には「いま、世界では5人に1人が1万円で三ヶ月暮らしている」「豊富な統計から見る貧困と格差」とある。確かに本書には、不愉快な数値も少なくはないが、しかし本書の一番の良さはむしろその手軽さにある。こんなにアオらなくてもいいのに。

それにしても、本書を見た後だとやはり「社会実情データ図録」の書籍化が頭をよぎる。どなたかオファーは出さないのだろうか。

Dan the Graphilia