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本blogもおすすめフィードに入っているということで、早速試してみた。

概要はすでにPOP*POPなどで報じられているので詳しくは述べない。一目見た限りでは、Livedoor Readerに似ていなくもない。というより今やLivedoor ReaderがWebサイト型のRSS Readerの日本における業界標準になっているので、当然といえば当然ともいえる。

とはいうもの、そのコンセプトは実は180度違っているようにも思われる。Livedoor Readerの至上命題が多数のフィードを片っ端から片付けるということにあるのに対し、G10 ReaderはRSSフィードを、元記事のURIに飛ばずして、その場でじっくり読むということに主眼をおいているようだ。

それを特徴づけているのが、G10 Readerの一番のウリである辞書検索機能。任意の単語をダブルクリックすると、英和辞典、英英辞典、日本語ウィキペディア、そしてEnglish Wikipediaでその単語を検索できる。

これが便利なのだが、実装については一言言いたい。

JavaScriptで生成したDOM Elementを本物のウィンドウに見せかけるのは致命的な間違いだ、と。

wordg10 海外ブログがさくさく読める!辞典機能付RSSリーダー『G10 Reader』を速攻レビュー! | P O P * P O P
単語をダブルクリックすると意味をブラウザ内別ウィンドウで表示してくれます。便利!

問題は、この「ブラウザ内ウィンドウ」は、本物のウィンドウではなく、Mac OS Xの標準ウィンドウに見せかけたDOM要素だということだ。本blogでも使っているチラ見のフキダシと原理的には同じなのだ。だからWindowsで見てもそこだけ見るとOS Xのように見えてしまうが、問題はそこではない。

問題は、ウィンドウに見えるものに対しては、ユーザーはウィンドウとしての動作を期待してしまうということだ。特に致命的なのは、この「ウィンドウ」を消そうと思って、左端の赤丸をクリックするのではなくcommand-Wを押すと、折角G10 Readerを開いていたウィンドウ(実際にはタブ)を閉じてしまうのだ。

少なくとも、この疑似ウィンドウはG10 Reader内のDOM要素だということがわかるデザインにしないと、私がやった事故を繰り返すユーザーは後を断たないだろう。

UIは難しい。凝ったUIであればいいかというとそれも違う。こればかりは使い込んで正解を「鍛える」しかない。Livedoor Readerの凄さがそこにある。あれは中の人が本当にUIを鍛えまくっている。見た目ではG10 Readerの方がLivedoor Readerより洗練されているように感じるが、G10 Readerは「見る」Webサイトではなく「使う」Webサイト。洗練が必要なのは操作であって見た目は二の次以降である。

とはいうものの、G10 Readerはまだはじまったばかり。そこに投入されている技術は確かに凄い。今後が楽しみなのと同時に、辞書検索機能は是非RSSリーダーとは独立してサービス提供して欲しい。例えばblogで単語をチラ見させるのに使うなど、その応用範囲は極めて広いのだから。

今後に期待させていただく。

Dan the RSS Reader Reader