こういうの、blogで解答できるようにしておいて欲しいよね。TBそのものは受け付けるのだけど、回答欄に反映されないとねえ。はてなアイデアには要望出しといたけど。

人力検索はてな - 【SF小説】 SFの世界に飛び込もうとしている私に入門用べストテン (別に10でなくてもいいです)を教えてください。 名作というよりは、古典・定番・有名とか元ネタにな..
SFの世界に飛び込もうとしている私に入門用べストテン(別に10でなくてもいいです)を教えてください。
Matzにっき(2007-03-14)
最近はすっかり本を読まなくなったけど(マンガは見てるか)、 SFってのはエンジニアの基礎体力として重要だと思うな。

これに禿同なので。

そもそも、SFというと10冊というのはあまりに少ないというのが正直な感想。単一の作家でも超多作の人も少なくないし(グイン・サーガとかグイン・サーガとかグイン・サーガとか。私の寿命が終わる前に終わるのだろうか)。とはいうものの、いたいけな初心者にいきなり飽和攻撃してしまうのは、それこそ

404 Blog Not Found:先崎に学ぶ将棋
最強の駒落ち p.16
決してしてはいけないのは、その時いきなり平手で指してこっぱみじんにしてしまうことである。相手が女性であればこれはもう犯罪と言ってもいい。しかも勝ったあとに「もっと勉強して出直して来な」などという輩は死刑をもって処すべきであろう。

のようなものだし。というわけで大まかな選考基準を決めた。

現在でも新刊として入手できること
いくら名作でも、入手困難ではNG。2007年3月現在、Amazonで新品で買えるのが条件。
それでいて、古典であること
新し過ぎては「共通項」とならないし
難度が低いこと
たとえばいきなり「ディアスポラ」というのは、上の先崎発言に通じるものがある。どちらかといえば原著派の私が、海外SFでもここでは訳本を取り上げているのはそのため。
それでいて、Sci-Fi度が高いこと
銀河英雄伝説 」は傑作だけど、あれはサイエンス・フィクションというよりポリティカル・フィクションに分類すべきだし。

というわけで、以下、リスト。

やはり最初はこの人か。多分日本における一番人気が 「夏への扉」、一番有名なのが「 宇宙の戦士 」だと思うけど、全世界的にだと本書。なにしろ本書で登場する火星語"grokは、OEDにまで乗っているのだ。perlをコンパイルする前のConfigureでもお目にかかれるぞ!

文字通り、人を食った話。


SFというと、大河ドラマも多いのだけど、大河ドラマといったらこれを外すわけにはいかない。ポリティカル・フィクションとしてのサイエンス・フィクションという伝統を作ったのも本シリーズ。

作者のAsimovが亡くなった後も続編が書かれているという、文字通り世紀も世代も越えた大傑作。それでも書かれた頃の時代背景が垣間見えるのも面白い。最初の三部作とそれに続く作品を読み比べて見ると面白いぞ!


上記二名に加え、このA.C. Carkeを加えた三名が、海外SFの三大巨匠ということになっているようだ。三者のなかでは唯一存命。

なんといっても「 2001年宇宙の旅 」があまりに有名なのだけど、作品として一番まとまっているのがこれだと思う。甘く切なくほろにがい。HALの本当の生みの親は、科学だけではなく情緒もすごい。


SFとはScience Fictionのこと。なんだかんだ言ってもScienceが入っていてなんぼのもんでしょう という人はこちら。Scienceに重きをおいたSFはハードSFというようなのだけど、その中の第一人者がForward博士。

この人の生み出したチーラは、数多の宇宙人の中でもっともぶっとんだ環境にすんでいながら、もっとも親しみを持てる。実はこの人の作品は、英語も平易なので、日本語版を読んだら英語版にも是非挑戦してもらいたい。


James Tiptree Jr.はペンネーム。実は女性。

SFというのは、数あるフィクションのジャンルの中でも切ない話が一番多いジャンルだと思う。その中でもとびっきりなのがこちら。「たった一つの冴えたやり方」というタイトルにしてから切ない。

英米SFはここまで。


ここからは日本のSF。やはり筆頭はこの方でしょう。

何を書いても凄い人なのだけど、本業はやはりSF作家。断筆宣言といい、「士農工商SF作家」といい、文壇のモハメド・アリという感じ。

「家族八景」、そしてそれに続く「 七瀬ふたたび 」、そして「 エディプスの恋人 」の七瀬三部作の主人公火田七瀬は、SF三代美女の一人に必ず入ると思う。


話は長けりゃいってもんじゃない、というのを証明したのがこちら星新一。ショートショートの神様。すでに鬼籍に入られたので、「ネ申」とか書く必要なしに神様。

そのショートショートがあつまって更に一つの話になるというのが、本書「声の網」。星さんがGoogleを見たらいったい何て言うのだろうか。本当に神様になってしまったことが悔やまれる。


SFといえば壮大さ。壮大さといえば小松左京。日本を沈没させるぐらい文字通り朝飯前。

その中でも一二を争う壮大さなのがこの「果てしなき流れの果てに」。これがAmazonで一番売れていたのを見て、やはり時が経てば残るのはベストセラーではなく名作なのだという感慨にとらわれた。

ここまでが日本SF三大巨頭。欧米SFの方と違って、こちらは星さんを除き存命。


本当は 「...絶句」の方をとりあげたかったのだけど、あまりに入手困難なのでこちら。この表紙でまだ新品で変えるのに絶句:)

新井素子のデビューは16歳。星新一のイチオシだけあって、若い頃はびしばし書いていたのだけど、結婚してから静かになっちゃったなあ....


やはりトリはこちらか。SFといえばもっともシュールリアリスティックな話を書ける分野でもあるが、そのなかでもとびっきりなのが神林長平。この人の話を読むと、現実が足下から溶けて行くような感覚に見舞われる。慣れるととびっきりの快感なのだが、苦手な人も少なくないようだ。

ところが本シリーズは、シュールなだけではなくスラップスティックであり、それでいてリアリティがあるという、とんでもなく濃厚でいながら、のどごしスッキリという嘘のような奇跡のような作品。「SFがはじめて」という人にも、「SFってもう読むものないのか」という人にも双方に勧められる。第一作の「海賊版」はちょっとカタいので、「猫たちの饗宴」から読むのが吉か。《笑い回路が刺激されます》


Dan the Sci-Filia