というわけで尻馬。
切込隊長BLOG(ブログ): 「好きな三国志の武将を三人選べ」と言われたら三国志が伝えたかったことは、「馬の産地を押さえた軍団が中華統一する」っていう、厳然たる事実なんだよ。
本シリーズ「蒼天航路」は、三国志の本当の主人公である曹操を主人公とした漫画。今更紹介するのもなんだが、数ある三国志漫画の中で一番面白い。横山光輝の三国志は小学生まで。
とはいえ、本シリーズは「三国志って何?」という人にはついていけないだろう。そういう人は横山光輝版を一度通読しておくといい。全60巻だがあっという魔に読める。吉川英治のとかよりはずっと速く読めるだろう。
はっきり言って、三国志の世界では曹操の他は雑魚。太陽系に例えたら、曹操が太陽で孫家が木星。蜀はこないだ惑星から外された冥王星と言いたい所だが、三国志演義では地球みたいな扱いになっている。本シリーズでも、だいたいこんな序列で三国志世界を描いている。
そのことが、かえって劉備に関しては納得のいく描写になっている。はっきり行って劉備というのは中国史において大した人物ではない。先日の都知事選における外山恒一のポジションである。そういう劉備のええかげんさに関しては、大人の三国志モノとしては、本シリーズが一番きちんと描けていると思う。
むしろ納得のいかないのが諸葛亮の扱い。あんなに大きく取り上げる必要はないのだ。でかいのはチンコだけにしとけばよかったのに。
ある意味、諸葛亮というのは、個人としてそこそこの能力がある人物が、国家に大していかに有害な存在になりうるかを示した存在とも言える。彼が無理な北征を重ねなければ、蜀の寿命はずっと長かっただろう。彼に馬謖を切る資格があったとは思えない。そもそも北征を企画した時点で彼は誤っているのだから。
これを見て、出師表に通じる匂いを感じたのは私の空耳ならぬ空鼻だろうか。
これはある意味、曹操とは対極にある。彼は皇帝の座に拘らなかった。中華統一にすら拘らなかった。拘っていたら、蜀を鶏肋と捨てることもなかっただろう。もしマキャベリが当時いたら、君主論はチェザーレ・ボルジアではなく彼に捧げられていただろう。
この破格の人を日本において再発見したのが、(狭義の)文学ではなく漫画だったところがまた素晴らしいではないか。
對酒當歌
人生幾何
譬如朝露
去日苦多
慨當以慷
幽思難忘
何以解憂
唯有杜康
私は三国志の日本における過剰な人気がキモくて敵わんのだが、Stay Hungry, Stay Foolishな生き方を貫いたこの人にだけは共感することが出来る。
今までの三国志に違和感を感じている人、必読。
Dan the Cao^2ist
曹操がいつ、皇帝になったんだよ
なったのは魏王だよ、魏帝になったのは曹丕だよ
曹操がいつ、中華統一したんだよ
中華統一したのは、部下の司馬懿の孫司馬炎だよ
まあネタにマジ亀レスとか言い出す可能性があるのでいいますが、
曹操は蒼天航路以前、各所で悪役として書かれていても、張角や董卓のような憎まれ役の悪役ではなく、いうなれば主役とは別に人気があったシャア・アズナブルのような悪役だった
第一、単純に正義の劉備と悪の曹操ですらない。三国志だぞ。二国志じゃねえんだよ
また、三国になる前の群雄割拠という状態もある
容姿ひとつとっても、横山三国志の後半における悪人面以外、前半、天地を喰らう、光栄の三国志、三国無双等々、イケメン、ちょいワルオヤジ(死語)に書かれているにもかかわらず、蒼天航路においては、くだらない低俗な印象操作を狙った孔明が晒し出していた陰部の如きものが髪にある有様。