logo

ここ二週間Load Averageが高かったので週末はぐったり。あまりにぐったりしていたので日頃は見ないTVも結構見てました。それでHistory Channelの"Engineering an Empire"という番組で、アレクサンダー大王の前後の頃の「帝国の技術」を見てふと思った、というよりずっと疑問に抱いていたことを思い出したのですが....

なぜ、日本では弩(いしゆみ)が歴史にあまり登場しないのでしょうか?知らない人のために解説すると、ボウガンのことです。弓に引き金がついたやつ。矢ガモメーカー。

日本では運用が難しそうな馬ですら、源義経のような例があります。そして鉄砲に至っては、日本に入るやいなや、世界一の鉄砲大国になっていたりします。空母の運用で先鞭をつけたのも日本。かのごとく、新兵器大好きな日本が、なぜ弩を導入しなかったのでしょうか?

一応それっぽい説明が、Wikipediaにあることはありました。

弩 - Wikipedia
しかし10世紀頃に兵(つわもの)から武士が誕生し、争い事自体が領主としての武士とその郎党・下人らで組織される多くても数十人単位の小集団同士の武力衝突が多くなった事、その争いでは「首級数」よりは「誰の首級か」が重要になった事、地方軍制もその小集団を束ね自らが軍装を持参する新たな国衙軍制が成立した事などにより、兵器として管理・整備が難しく国司・郡司による中央統制的兵器管理が必要な弩は全体として軍備から外され消滅に向かった。代わりに管理のし易い軽便な軽甲・弓箭が主流となる。

そして弩のような集団戦闘向きの武器が望まれる戦国時代には、すでに弩よりも威力がある鉄砲が入っていたと。もっともに聞こえるのですが、それでも納得できないのは、実は刀が戦闘ではほとんど役に立っていなかったという事実があるからです。このあたりの事情は、「刀と首取り」に詳しいのですが、実際戦における主力兵器は鉄砲以前には槍と弓でした。

弓道も含めた「○×道」というのが成立するのは、天下太平となっていく安土桃山から江戸時代であることを考えると、それ以前の時代に最強兵器となりえた弩を簡単に手放すとは思えないのですが。

どうしてなんでしょうねえ....

Dan the Amateur Historian