献本御礼は礼儀上当然であるが....
失格。
本書「Rubyクックブック」は、「Ruby Cookbook」の劣化コピー。それもとーちゃんなさけなくて涙が出てくる出来。
Rubyクックブック @ 2007年04月 @ ratio - rational - irrational @ IDMまぁ、原書には文字列のメソッドの使い方が延々書いてあったり、別にRubyに限らないアルゴリズムのお勉強の話題だったり、RailsによるWebアプリケーションの開発が入ってたりするんだけど。でも、基礎的な部分は中級者は今更読みたくないだろうし、入門書には『たのしいRuby』みたいな良書があるからねー。網羅性ならピッケル本のライブラリ編もあるし、Railsはもうね、AWDwRや舞波本があるからいいよ。
わかってない。わかってない。わかってねえ!
Foo Cookbookというのは、Fooの中級者だけが読む本じゃない。むしろ他の言語の中級者以上の人が、「ではFooではどうか」というのを確認する需要の方がずっとある。中華料理の達人にして和食の初心者が読んで納得するのが、Cookbookのはずだ。
私も「縮刷」するのは反対ではない。確かに大元のRuby Cookbookは編集が甘いせいもあってか、贅肉も結構ある(Python Cookbookよりも分厚い)。販売を考えても、分冊にはしてもらいたくない。しかし、そもそも何を削るかというのは、最も熟達した技が必要。PerlでもDCONWAY級、RubyでもDave Thomas級でないと難しい。
原書と和書の違いについて
Chapter 4 Arrays 未収録 Chapter 5 Hashes 未収録 Chapter 6 Files and Directories 未収録
もうこの時点で、本書は終わっている。
そもそも上記の表がWebにしか載っていないのは、お金を出して本書を購入した読者に対して失礼だ。
それでもまだ、本書が日本のRubyコミュニティによって取捨選択されて再構成されたというのであれば、まだ納得できる。本書には、日本のRubyコミュニティが関わった形跡がほとんどない。Perlクックブック第二版の時は、Shibuya.pmが監修、というより下訳をばりばり直したのだが、本書にはそのような形跡は全く見られない。
Pythonクックブック(続けて書評予定)と本書の品質の差には、正直目眩がする。これではオライリーはRubyブームの何匹目かのどぜうをすくいに来たのだと判断せざるを得ない。
オライリーの本でこれほどの憤りを感じた、というのかそもそも憤りを感じることが出来るというのが不思議。私は冗談は好きだが、動物本の冗談は本書限りにしていただきたい。
本物のRubyクックブックが待ち望まれる。どうせなら、それ用のWikiか何かを立てて、日本語版と英語版を同時に作るという方法がよいのではないか。
Dan the Disappointed
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