「有害な“正論”」にふさわしい一コマ。

おいしいところは自分のため... - キモーイ キャハハハハハハ - Hatena Serif 第3回 トラブルシューターは一匹狼有害な“正論”を盲信するな:ITpro
技術者の場合,自分の腕一本で食べているのだから,自分だけが持っている知識やスキルを,簡単に他人に伝授してはいけない。職人に上下関係はない。上司も部下も全員がライバルなのだ。教育の名のもとに安易に極意を伝授してしまったら,いずれは部下に取って代わられ,泣きを見ることを覚悟しなければならない。

もし、承前の引用が事実なら、オープンソースなんてありえない。少なくとも、そこで活躍している人々はいずれは他者にとって代わられ、泣きを見ているはずだが現実はどうか。

私が知っている限りにおいてであるが、優れた技術者ほど気前がいい。ものによっては特許や著作権やNDAで「すぐに公開」というわけには行かないが、それでもそういった「仁義」がクリアーされるやいなや、持てる技術を伝授しようとする。初心者であれば、すぐにおなかいっぱいになってしまうだろう。

彼らがなぜそれほど惜しみないかといえば、その過程を通して自らの技術も向上することを肌で知っているからだ。技術を伝える過程で、その技術はいやでも向上する。そしてその過程を通じて、新しい技術も思いつく。

面白いことに、これはソフトウェアのような「書き下そうと思えば書き下せる」技術のみならず、「本来」の職人にように手で覚えるしかない技術に関してもそのようである。少なくとも 小関智弘の本を読む限り、現代において秘伝はありえないという印象を抱かざるを得ない。

第3回 トラブルシューターは一匹狼有害な“正論”を盲信するな:ITpro
問題が起きたら,自分が“壁”となって問題の拡大をせき止めることを第一に考えるべきだ。できれば上司の耳に入れる前に解決してしまう。そのくらいの気概を持って,障害対策に当たって欲しい。筆者がトラブルシューターとして過ごした長年の経験から,何でもかんでも上司に連絡して判断を仰ぐ,という受け身の姿勢は感心しない。

この下りは、半分だけ真実。そして半分だけ真実というのは無真実よりも有害なことが多い。

上記の場合でも、一つだけ絶対報告しておかねければならないことがある。「今自分が作業中です」という一言だ。野球の野手が「オーライ」(I'll get it)といっているアレである。あなたがIT系のエンジニアなら、「リソースロッキングが必要なのと同じ理由」と言い直してもいいかもしれない。

これをやっておかないと、他のものも知らずに作業を開始して、事故が拡大してしまうことも珍しくない。作業環境で物理的に人が見える場合はまだましで、IT系であれば地球の裏のサーバートラブルを直すことだって珍しくない。もし他の人がここにやってきて、あなたの作業を上書きされたらあなたは落胆するだろうか、それとも憤慨するだろうか。

一匹狼こそが,トラブルシューターの真髄なのである。

狆である自分を狼といつわるのもトラブルシューターの真髄なのかしらん。

Dan the Freelance Engineer