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これはすごかった。

本番組「超巨大・中国三峡ダム」は、世界最大のダム、三峡ダム[ja.wikipedia]の物語。いつかはNスペとかでも取り上げられるのだろうけど、2時間スペシャルでも足りないぐらい内容の濃い番組だった。

番組では、正の影響も負の影響もなるべく取り上げるようにしている。まあこれはドキュメンタリーの正道なのだけど、以外だったのは、中国当局がかなり情報公開に積極的だったこと。考古学者の「先進国のダムプロジェクトなら、全予算の2-5%は遺跡の発掘保全にまわしてくれるのに、ここでは1%」という嘆きも、発電所がタービントラブルで1ヶ月停止になって、その結果30万世帯が1ヶ月停電になったこともきちんと報道している。

その史上空前の環境破壊もあいまって、三峡ダムの評判は先進国においてはよいものとは決して言えない。「不人気度」で行けば、原発に匹敵するのではないか。しかしその効用も、原発どころではない。なにせ電力一つとっても、これ一つで全て完成すれば原発20機分、柏崎発電所三つ分の電力を生み出すのだ。

番組は、そういう悪い点をなるべく隠さず紹介しつつも、あくまでそれは中国が決めたことであり、そしてそれをほぼやりとげた中国は大したものだという結び方をしている。私もそう思う。少なくとも、さんざん狼藉を働いてきた先進国の人間に、「中国は人類の宝を水底に沈め、地球環境に取り返しのつかない被害を与えている」と言える資格はないのではないか。

実際、250億ドルという巨額の建設費用を捻出し、20年足らずでそれを完成させる中国の国力というのは過小評価すべきでない。この250億ドルという建設費は、本四にかかる橋すべての建築費用とほぼ同額。それをGDPが1/3の国でやったからには、日本にたとえれば10兆円のプロジェクトに相当する。今の日本に単一のプロジェクトに10兆円を費やすのは不可能だろう。

この夏休み中にテレビの前に座ってみる価値のある数少ない番組の一つ。

Dan the Couch Potato