これまた「本が好き!(β)」経由で献本御礼。
最近同サイトに大量入荷した、DOJIN選書の第一弾にふさわしい一冊。
本書「だまされる視覚 錯視の楽しみ方」は、錯視の世界的第一人者である北岡明佳が、どうやって錯視図を描くかを、原理から道具まで惜しみなく紹介した一冊。
早い話、「404 Blog Not Found:動く錯視図形」のような図が、あなたにも描けるようになる、というとんでもない指南本である。
目次 - KAGAKUDOJIN BOOKSELLより- まえがき
- 第1章 錯視とは何か
- 錯視は脳で起こる / 錯覚とは何か / 錯視は知覚レベルの錯覚 / 勘違いの心理学 / 蜃気楼は錯覚か / 錯視はなぜ起こるのか / 錯視にかかわる脳の領域 / 錯視の楽しみ方
- 第2章 静止画がなぜ……止まっているものが動いて見える錯視
- 一 「X染色体の回転」--オオウチ錯視
動く錯視の発見 / なぜ動くのか / 回転する錯視 / もう一つのオオウチ錯視 - 二 「漂流」--四つの色で動きをつくる四色錯視
四色錯視 / 簡単につくれる四色錯視 / 四色錯視で回転錯視 - 三 「蛇の回転」
「蛇の回転」錯視 / 「蛇の回転」で遊ぶ / 「蛇の回転」の歴史 / 傾きと渦巻き / なぜ「蛇の回転」は起こるのか / 「逆」フレーザー・ウィルコックス錯視 - 四 「ボート」--明るさのコントラストか動きを変える中心ドリフト錯視
- 五 「コメの波」--波の錯視
- 第3章 同じ明るさなのに……明るさの錯視
- 一 「コンクリートの柱」--明るさの対比と同化
- 二 「森」と「太陽」--境界が重要な明るさの錯視
- 三 周りの明るさの影響--T接合部が重要な明るさの錯視
- 四 「帽子」--ログヴィネンコの錯視とエーデルソンの錯視群
- 五 「二人の女性」--輝度勾配依存の明るさ錯視
- 六 黒い霧と白い霧--透明視依存の図地分化による明るさ錯視
- 七 「神経細胞の発火」--ヘルマン格子錯視ときらめき格子錯視
- 八 「光る菊」--輝き効果
- 第4章 水平のはずが……傾きの錯視
- 一 「だんご30兄弟」--ツェルナー錯視とフレーザー錯視
ツェルナー錯視 / 彎曲錯視 / フレーザー錯視 - 二 「黒ダイヤ」--カフェウォール錯視
カフェウォール錯視 / カフェウォール錯視の彎曲錯視 / カフェウォール錯視の動く錯視と渦巻き錯視 / 簡単にできるカフェウォール錯視 - 三 「クッション」--市松模様錯視
市松模様錯視 / 「膨らみの錯視」 / 市松模様錯視の波の錯視と動く錯視 - 四 「卯図」--カフェウォール錯視の仲間の錯視
黒白円の錯視 / ずれたグラデーションの錯視 / 縞模様コードの錯視 - 五 「カメの養殖」--エッジの変化で傾く錯視
縁飾りエッジの錯視 / ずれたエッジの錯視 - 第5章 だまし絵は錯視か?--いろいろな錯視
- 一 だまし絵と錯視
だまし絵の歴史 / 錯視デザインの創始者 / 錯視デザインの歴史 / だまし絵と錯視の違い--「錯視=役立たず」か - 二 トリックアートの手法--影(シャドー)と陰(シェード)
- 三 ステレオグラムと錯視
なぜ立体的に見えるのか / ランダムドットステレオグラムとオートステレオグラム - 四 反転図形、不可能図形と錯視
反転図形 / 不可能図形 - あとがき
第一人者ならではの、実力に裏打ちされた自信みなぎるあとがきが、錯視図に劣らずすごい。
p. 180錯視の一般向けのやさしい本はいくつか出版されてあおり、他方で錯視の学術専門書も入手できるのであるが、錯視の心理学を概説した上でデザインのつくり方を解説した書物となると、本書しかないのである。しかも、このあとがきを読んでいるということは、本書をすでに入手したということなので、もう新たに本を買う必要はなくなったというわけだ。
これで1400円というのは、文字通りめまいがする低価格。錯視というものに関して語るにあたり、本書を持たぬはモグリとさえ言えるだろう。
そう。私も含めて。これほどのスゴ本を、私は知らなかった。というより、この化学同人のDOJIN選書の存在そのものを知らなかった。ありがたいことに、このたび同社が同シリーズを現在大々的てこ入れをしてくれているようで、おかげで私もその存在を知ることができた。この選書という版型も私の好きなものの一つで、新書には省スペースで一歩劣るものの、一回り大きな版型のおかげで、本書のように大きめの図が必要なものも難なく納める必要がある。この版型に着目した化学同人++である。見てのとおり、他のタイトルもおいしそうなの目白押しである。「本が好き!」経由で実はもう一冊入手したのであるがそちらも傑作で書評予定。今後DOJIN選書から目が離せない。
そうそう。一つ注意。トイレで読むのは厳禁。しばらく立ち上がれなくなります。マヂで。
Dan the Bookworm on Vertigo

だまされる視覚 錯視の楽しみ方 (DOJIN選書)
- 北岡 明佳
- 化学同人
- 1470円
livedoor BOOKS
書評/サイエンス


このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。