な、なつかしい。図書館で読んだ読んだ。

Hugo Strikes Back!: SF作家オモロ大放談
筒井 まあ、最近世界各地でたくさん飢えて死んでますね。あれ、ひとまとめにして埋めときゃ石油になるのかな(笑)。
小松 そんなに早く石油になるもんか(笑)。まったくもう、血も涙もないな(笑)。

司書がそれを読んでいる私を見てくすくす笑っていたのも、今度は借りて中学校で読んでいたらそれを見た教師がむっとしていたのもいい思い出。

で、ここからは今までなされたようでなされなかった突っ込み。

遺体を石油化しても足りるのか。

当時と違って三十年後の今なら、答えは手元で一発。

原油 - Wikipedia

消費量

2001年時点の主な国の一人当たりの原油消費量と自給率を以下に挙げる。自給率が100%を超えるのは主要八カ国中、ロシア、イギリス、カナダだけである。

サウジアラビア4100kg423%
アメリカ合衆国2700kg36.9%
韓国2500kg0%
日本1600kg0.2%
ロシア1300kg184%
イギリス1300kg143%
中華人民共和国170kg76%

はい。中国だけ見ても、一人60kgとして、たった一年で体重の三倍近くの原油を消費しております。日本は25人分。

エネルギー資源として人類がおかずどころかお通しにもならないことを確認した上で、今度は食料資源としてはどうか、ということも考えてみましょう。次に登場いただくのは、「まんがサイエンス」。こちらは学校の図書館にも全巻そろえてありそうです。この機会に手元にも全巻そろえておきましょう

飼料、失礼、資料となるなるのはこちら。

まんがサイエンスIII P. 194
6tたまご1.3t
小麦2.6t牛乳3.4t
砂糖300kg野菜7.5t
540kg果実類3.8t
2.1t海藻177kg
魚介類3t
肉類2.2t
その他も入れて約50t

これ、日本人が一生に食べる食べ物の量です。ここでは一生=80年で計算しているので、一年あたりにすると約625kg。日本人--に限らず、ヒトはだいたい一年に体重の10倍程度の食料を必要としているのです。

この時点で食料資源としても人類つかえねーということが判明していますが。もったいない精神を発揮してどれくらいの足しになるかを計算してみましょう。全世界でならすと、今一年に死ぬのは、人口の1/100程度。すこし多めに見積もって、1/80としておきましょうか。これは人口一定社会で人生80年という場合に相当します。「原材料」の体重も、これまた多めに80kgとしておきましょうか。そうすると、一人に一年間に配給できるのはちょうど1kg。これを365で割ると、約2.7g。なんとかお通しぐらいにはなるかも知れません。

こういったツッコミは小松左京が思想、じゃなくてしそうだったのに、なぜかしてませんねえ。

エネルギー資源といい食料資源といい、驚くべきは星小松筒井の発想ではなく、人類というものの業の深さなのです。

Dan the Long Pig