毎日コミュニケーションズ田島様より献本御礼+厳選な抽選の結果外れたのでジバラン。

入手経路も出版社も異なるこの二つを同時に扱うにはわけがある。

1000円で買えるフルカラー新書というのはサイエンス・アイ新書が先鞭をつけたようだが、ついに他も追い出したようだ。インプレスの方はできるポケット 。定番のある「できる」シリーズをそのまま新書化した手堅い参入。毎日コミュニケーションズの方はまだシリーズ名が決まっていないようだが、「USBメモリーハックス」というタイトルはマイコミ新書のようでいて、しかしそこに「マイコミ新書」の文字がないので別シリーズ化しそうな気配がある。

さすがにフルカラーだけあって、両方とも実にわかりやすい。むしろ難点はそのわかりやすさだろう。わざわざ買って読まなくてもいいような気にさせるほどわかりやすいのだ。

ハウツー本という点もこれまた難点になりうる。はてなブックマークにしろUSBメモリーにしろ、どちらも旬は短い。いや、はてブの旬が短いといっているのではなく、本の方の旬はどうしても短くなってしまう。本書に遠慮して仕様変更するようなはてなおやはありえないのだし。アップデートPDFをWeb配布することで寿命にも配慮してはいるのだけれど。

USBメモリーそのものはもう少し長い寿命が見込めるが、しかし本書に限っていえば内容が現在のWindows(XP/Vista)に特化しすぎていてそれが寿命を縮めているように見受けられる。

それでも、こういう「今が旬」の生鮮食料品的な本を、私は案外支持している。一つは、雑誌の衰退。既存のマスメディアの中で一番食われているのが新聞と雑誌ではないだろうか。「旬の情報を売る」メディアとして両者に以前ほど期待できない以上、新書にそれを見いだすのは悪いことではないはずだ。

ただ、売り場に気をつけて欲しい。これらの本は、本屋で売るよりもその本の元ネタと一緒に売るのがいい。「USBメモリハックス」だったら、USBメモリーと一緒に売るというわけだ。書店には難しいが、家電量販店ならわけなく出来る。

そうなると「はてなブックマークで情報アンテナが10倍広がる本」はどうするかという問題があるが、これだって付ける気になればはてなポイントぐらい付けれたはず。

私は本にある程度思い入れはあるけれども、神聖視はしていない。「モノと一緒に売るための本」というものにもっと注目されてもいいのではないか。そのためのパッケージとして、新書は最適である。もっと類書が増えて欲しい。

Dan the Bookworm