これはやられた!

爆笑問題のニッポンの教養
(現在30巻まで)
初出2007.12.07;以後続刊ごとに更新
講談社GJ!
本シリーズ「爆笑問題のニッポンの教養」は、同名のTV番組を新書化したもの。秀逸なのは番組一本につき一冊づつ刊行しているということ。
- 生命のかたちお見せします 発生生物学 - 浅島誠 (2007/9/27)
- 現代の秘境は人間の"こころ"だ 芸術人類学 - 中沢新一 (2007/9/27)
- 宇宙人はどこにいるのか? 惑星科学 - 井田茂 (2007/9/27)
- 人間は動物である。ただし…… 社会心理学 - 山岸俊男 (2007/9/27)
- 教授が造ったスーパーカー 環境工学 - 清水浩 (2007/10/31)
- ヒトはなぜ死ぬのか? 生化学 - 田沼靖一 (2007/10/31)
- 哲学ということ 哲学 - 野矢茂樹 (2007/12/6)
- 人間は失敗作である 比較解剖学 - 遠藤秀紀 (2007/12/6)
- ロボットに人間を感じるとき…… 知能ロボット学 - 石黒浩 (2007/12/6)
- タイムマシンは宇宙の扉を開く 宇宙物理学 - 佐藤勝彦 (2007/12/6)
- 生物が生物である理由 分子生物学 - 福岡伸一 (2008/1/11)
- 万物は渋滞する 渋滞学 - 西成活裕 (2008/1/11)
- 異形のモノに美は宿る 日本美術史 - 辻惟雄 (2008/02)
- 人間は考える腸である 腸管免疫学 - 上野川修一 (2008/02)
- ひきこもりでセカイが開く時 精神医学 - 斎藤環 (2008/03)
- 生き残りの条件≠強さ―数理生態学 - 吉村仁 (2008/03)
- 深海に四〇億年前の世界を見た! 地球微生物学 - 高井研 (2008/4/24)
- 人類の明日は晴れか雨か? 気象学 - 高薮縁 (2008/4/24)
- この世はすべて錯覚だ 知覚心理学 - 北岡明佳 (2008/5/27)
- コトバから逃げられないワタクシ 言語学 - 田中克彦 (2008/5/27)
- 「体内時計」はいま何時? システム生物学 - 上田泰己 (2008/6/26)
- 科学的分身の術 バーチャルリアリティ学 - 舘すすむ (2008/6/26)
- 平和は闘いだ 平和構築学 - 伊勢崎賢治 (2008/7/31)
- 「脱出したい!」のココロ 海洋生命科学 - 塚本勝巳 (2008/7/31)
- 人類の希望は美美美 美学 - 佐々木 健一 (2008/8/26)
- みんなの憲法入門 憲法学 - 長谷部恭男 (2008/8/26)
- 脳を創る男 カオス工学 - 合原一幸 (2008/10/21)
- スポ根なんていらない? スポーツ心理学 - 高妻容一 (2008/10/21)
- 検索エンジンは脳の夢を見る 連想情報学 - 高野明彦 (2008/11/21)
- 我働く ゆえに幸あり? 教育社会学 - 本田由紀 (2008/11/21)
NHKの番組だと、NHKスペシャル、それも一回でやるものではなくシリーズでやるものは比較的よく書籍化されるのだが、たいてい大判かハードカバーの、一冊2000円以上する本が番組一本につき一冊出る。これらはそれだけの価値があるのは認めるが、値段からいっても大きさからいっても個人で揃えるのはなかなかつらい。まだ今ほど本を買えなかった頃、よくこうした「Nスペ書籍」を図書館に注文してはまとめ狩り、じゃないまとめ借りしていたものだ。
しかし、本シリーズでは新書である。これならずっと手をだしやすい。ページ数は140ページ弱と少なめだが、TV番組由来だけあって画像も豊富なのでこれは納得が行くところ。
それにしてもうらやましいのは、爆笑問題の境遇。ほんと、楽しそうである(サンジャポよりずっと、というと怒られるかな?)。各学の第一人者に週一回あって話を聞くだけでもうらやましいのに、それがTVになって今度は新書である。しかも講談社は、今回そのためにわざわざブルーバックス でも講談社現代新書 でも講談社+α新書 でもない、このシリーズ専門のレーベルを用意した。
それは「爆笑問題」というブランド抜きでの必然でもある。なにしろ番組と同じペースで出そうとすると月4冊。これはサイエンス・アイ新書の刊行ペースとほぼ一緒である。それを単一インタビュワー(といっても二人だけど)でやるのである。
メディアミックスの器としての新書というのは素晴らしい目のつけどころ。しかも「あるある大辞典」とかではなく「ニッポンの教養」でやったというのが最高。関係者一同に脱帽!
Dan the Self Cultivator
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