問題は、それがなぜか、ということ。

Matzにっき(2008-01-01)
高速HTTPサーバMongrelの作者であるZed Shawが、 Ruby(やRails)を離れて、LuaやPythonやFactorに移ろうか、という話。

「RoRコミュニティが『アホでバカで低能』」だから、というのでは、半分しか読んだことにならない。

『ワーキングプア』まで読み取らないと。

とても惰訳できるものではないので、英語が読める人は是非原文を読んで欲しいのだけど(ただし、4-letter-wordsだらけ。Rated RじゃすまなくてRated X)、日本語による要約は、とりあえずざっと眺めた限り以下が一番よく出来ているので紹介。

Ruby on Railsはゲットーだ
彼はかなりお金に苦労していたようで、教育もお金がなくなり最後まで受けられなかったと書いてあります。 そしてそのような彼がコードしかできないと嘲られたとかなり憤っています。

原文に挑戦しよう、という人は、以下の部分は見逃さないように。

ZSFA -- Rails Is A Ghetto (2007-12-31)
During 2006 I was effectively homeless for about 4-6 months out of the year and made no money at all. During the rest of the year the little money I made was impossible to get, and many times I was simply not paid.

これがなければ、「ゲットー」にはならなかったはずなのだ。

しかし、なぜそうなってしまったか、といえば、オープンソースの中毒性に言及せざるを得ない。仮にもビジネスのセンスがきちんとあって、それ以上にコーディングのセンスがある彼がなぜ Mongrel で「人生すっちゃった」かといえば、「リリース-反響スパイラル」にはまったからだと言ってもいいのではないか。

これにはまりこんでしまうと、とても「金稼ぎ」どころではなくなってしまうのだ。むしろまじめな人ほどそうなりやすいかも知れない。

それでもまだ、会社のバックアップがあれば、はまったまま生きては行ける。しかし、オープンソースとどうつき合うかは、基本的には自己責任。半年無給(そして無休)で尽くす羽目になっても、訴えなければ誰も助けてくれない。

そして、この辺の間合いをどう取るのか、というのは未だに確立されたノウハウがないのだ。Matzさんや、あるいは僭越ながら私を見て、「これでイケる」と思った人には、これだけは言っておきたい。彼らも、そして私も、「これでイケる」と言い切れるのはせいぜい自分のことどまりだということ。マネして傷ついても、我々は責任を負えないというのはあらかじめ申し上げておきたい。

さらに、このことは今やオープンソース界隈に限らなくなって来ている。

404 Blog Not Found:Webphoriaにご用心
もう一つ、より重要な現実がある。Webphoriaに限らず、Euphoriaに浸った人々ほど搾取しやすいものはないのだ。ブタもおだてりゃ木に登るというが、木の実をいただくのは上った奴じゃなくて下で君をヨイショしているだけのおっさんおばさんというのも悲しい現実ではある。

いまや「リリース-反響スパイラル」には、誰がはまってもおかしくないのだ。

ゲットーへの入口は、あなたの前にいつでもあるのだ。

そのうち Alcoholic Anonymous ならぬ Open Source Anonymous が出来るのだろうか。日本だと2chがその役割を一部果たしているのかも知れないけど。

Dan the Open Source Programmer

追記:見事な抄訳。