というわけで、考えてみた。というより時々考えることを少し言語化してみた。

もしも、ブロガーが死んでしまったらブログはどうあるべきなのか?*ホームページを作る人のネタ帳
ここは悪気があっていうわけではなく、あくまでアルファーブロガーという影響力を考えて書きますが、例えば90万PVを誇る404 Blog Not Foundの著者、dankogai氏が亡くなられた場合、あの方のブログというのは、ある意味『財産』になるのではないだろうか。

blogに限らず、ネット上に個人が築き上げて来たものが遺産化するというのは、(悲しいこと)にいくつも事例がある。以下、私にとって比較的身近に事例を二つ取り上げる。

Nick Ing-Simmons

現在私がメンテナーをつとめるEncodeも、元はといえばNick Ing-Simmonsがはじめたものだった。その突然の死は驚きと悲しみをもって受け止められていたが、CPANの仕組みは相続をもある程度想定したものであり、それによって関連するプロジェクトが突然死することはなかった。Encodeのように「生前相続」の事例も多数あり、私自身、いくつかのプロジェクトを相続する一方、別のプロジェクトを「贈与」した経験もある。

縁起でもないことを承知で言うと、たとえ Larry Wall が亡くなっても、Perlはなくならないと言い切れる程度にはPerl Communityというのは成熟している。

その一方、Nick Ing-Simmons の個人ページはすでになくなってしまった。実に悲しいことである。

itojun

itojunこと萩野純一郎の訃報は、昨年のネット界の訃報の中では最大級のものだった。私自身、まだその死を完全に embrace しているとは言い切れない。

ネット界の巨人だけあって、itojunのネット遺産(と書くと「グロス遺産」の反対という感じがするが、ここでは「ネット空間における遺産」の意)の保全はかなり良好であるように見受けられる。たとえば、itojun.org ドメインは、whoisによれば村井純先生その人が管理人となっており、http://www.itojun.org/は現在でもアクセス可能である。

弾が死んだら

で、私自身である。まずは主なネット資産を列挙してみる。

dan.co.jpドメイン
事実上の個人ドメインだが、法的な所有者はディーエイエヌ有限会社であり、妻も取締役となっているので、財産部分の相続にはほとんど問題はない。
技術部分であるが、DNSやWebサーバーなどは、私の一家が家族ぐるみでおつきあいしている友人の管理下にあるiDCに設置しており、たとえばrootパスワードの再設定などもこの友人経由で行える状態にある。
本blog
現在パスワードは私のみが知っており、管理者アクセスが出来るのは私のみである。
CPAN:DANKOGAI
これまた管理者アクセスができるのは私のみであるが、前述のとおりCPANではすでに相続の仕組みが確立されているので安心感がある。
はてなアカウント
現在パスワードは私のみが知っており、管理者アクセスが出来るのは私のみである。

というわけで、本blogとはてなアカウントに関しては、相続にやや不安が残る形となっている。これに関しては、「管財人」をあらかじめ指定しておきたいところではある。具体的な作業は、フリーズ、すなわち「消す」のではなく、「中の人」の死亡告知およびコメントおよびトラックバックの閉鎖ということになるだろう。livedoor blogに関してはわずかではあるが料金も発生しているので、それに関する手続きもある。

というわけで、弾のネット管財人となってもよいという方は、私宛までご連絡を。

Dan the Mortal