そんなこと禁じる権利は誰にあるのか?

公序良俗に反する歌詞を含む楽曲について - ピアプロ開発者ブログ
VOCALOIDを用いて楽曲を制作する場合、「VOCALOIDライブラリ使用許諾契約書」に記載されております通り、公序良俗に反する歌詞を含む合成音声を公開または配布することを禁じております(※)。

ちょっと、言い換えてみよう。

コンパイラーを用いてプログラムを制作する場合、「コンパイラー使用許諾契約書」に記載されております通り、公序良俗に反する動作を含むプログラムを公開または配布することを禁じております。

あるいは

包丁を用いて料理を制作する場合、「包丁使用許諾契約書」に記載されております通り、公序良俗に反する味を含む料理を公開または配布することを禁じております。

たとえば料理に毒を入れて売るのは禁じられているけど、それを禁じるのは断じて包丁屋の仕事じゃない。我々は道具にさえ萌えられる生き物ではあるけれど、しかし道具への愛着に基づいて、道具屋が利用者に利用法に制限をかけるのは、それがどんな道具であれ間違っている。

「公序良俗に反する」行為を制限したり禁止するのは、あくまで場の提供者(たとえばニコニコ動画)であって、道具屋ではない。逆に、道具屋が利用法にとやかく言う権利があるのだとしたら、利用の過程で利用者が被った損害に対する責任も負わなければフェアにならない。

ソフトウェア使用許諾契約書 - クリプトン | VOCALOID アップデータのダウンロードより
お客様が合成音声を公開あるいは配布したことにより発生したいかなるクレーム、訴訟、直接的、派生的、付随的または間接的な損害に対しても弊社は一切責任を負いません。

責任を負わないのに権利があるって?

こうなるとやはりオープンヴォーカロイドが必要になってくるのだろうか....

Dan the Codesmith