出版社経由にて著者ご本人より献本御礼。
なるほど、この手があったか。
すでに「成功本50冊「勝ち抜け」案内:[俺100]」のように紹介されているのだが、後だし書評は私の得意技でもあるので遠慮なく行く事にする。
本書〈成功本50冊「勝ち抜け」案内〉は、一言で言うと「メタ成功本」。例えば本がデータとすると書評はメタデータに当たるのだが、これを50冊の成功本に対して適用して、さらにそれらをまとめて分析したのが本書である。
目次 - やすのぼやき | 読書日記 『成功本50冊「勝ち抜け」案内 How to Improve Your Reading Skills for Success in Life (Kobunsha Paperbacks Business』より加筆訂正- 成功入門、基本の「き」
- 『金持ち父さん、貧乏父さん』
- 『ユダヤ人大富豪の教え』
- 『経済ってそういうことだったのか会議』
- 『人を動かす』
- 『細野真宏の世界一わかりやすい株の本』
- 『年収300万円時代を生き抜く経済学』
- 『借りたカネは返すな!』
- 『ザ・プロフィット』
- 『ビジョナリー・ピープル』
- 『思考は現実化する』
- 自己啓発本の深淵
- 経営者本の真髄
- 『千円札は拾うな。』
- 『渋谷ではたらく社長の告白』
- 『一冊の手帳で夢は必ずかなう』
- 『きみはなぜ働くのか。』
- 『成功のコンセプト』
- 『史上最短で、東証二部に上場する方法』
- 『どん底からの成功法則』
- 『リクルートのDNA』
- 『「プロ経営者」の条件』
- 『稼ぐが勝ち』
- ストレート投資本
- 独立志向系戦術本
- 知識の底上げ本
- 『図解 「儲け」のカラクリ』
- 『日本のお金持ち研究』
- 『成功学キャラ教授』
- 『いつまでもデブだと思うなよ』
- 『ザ・シークレット』
- 『宇宙が味方する経営』
メタデータというのは、「安く」見られがちである。これは「元本」あっての「デリバティブ」である「メタ」の宿命でもあるのだが、メタの価値がどれほど高いのかというのは、Googleを見ればわかる。Googleの価値は情報ではない。メタ情報なのだ。
「メタ」の特徴は、それに重ねて「メタ」れることである。例えば本entryは、「メタ成功本」のメタデータなわけだから「メタメタ」なわけだが、メタというのは重ねれば重ねるほど情報が散逸し何がなんだかわからなくなる傾向がある。上の目次がAmazonへのリンクになっているのは、私のアサマシさも理由の一つであるが、源流の情報へのリンクを張る事で情報の「メタメタ」化を防ぎたいという理由がより大きい。正直言ってしまえば、他の本に関しても参考文献はすべてリンク化したいぐらいなのだ。目次を入力してくれたblog「やすのぼやき」の中の人に感謝を。
本書は、確かに「成功本」のカタログとしても機能している。50冊の成功本は、すべて
- 基本データ
- 著者プロフィール
- 本書のナナメよみ
- 本書の勝ち抜け案内
- こんな誤読をしてはいないか!
というフォーマットでカタログ化されている。一冊につき2ページ。これが実に秀逸で、そのまま書評entryとしてblogに上がっていてもおかしくない。著者が書評blogをはじめたら、本blogもうかうかしていられないとマヂ思ったのだが、なぜか著者はblogをお持ちでないようだ。
しかし、メタ情報の本当の価値は、それらを組み合わせて分析にかけてからはっきりする。その威力は、これまたGoogleを見ればわかるだろう。本書は具体的にそれをどうやるのかをPart 3で披露していて、本書が一番「おいしい」のはこの部分だったりする。特に「成功本マトリックス」は、そのままWebに掲載したい、というか本blogでも是非取り上げたい....のだが、今のところコスト割れでやっていない。これはいつか仕組みをつくって対処したい。
このマトリックスを見ても、上の目次を見てもおわかりの通り、本書に収録されている「成功本」はかなり多彩で、「成功 = 財産形成」という単純な定義を著者が取っていないことがここから伺える。実のところ、「成功」というのは定義次第でどうにでもなり、そして成功をその場その場でどう定義するのかが、「満足の行く」成功の鍵を握っている。そう。成功にもまた「メタ成功」があり、本書は「メタ」成功本であると同時に「メタ成功」本でもあるのだ。
本書は「成功したい」人はもちろんのこと、メタ情報をどう扱うのかを知る上における格好の実践例である。ボトムラインとしてblogで書評を書く人は必携である。
それだけに、著者がblogを持っていないというのは謎である。メタ価値を価値化するのにこれほどよいツールはないのに。もっともそれは著者の趣向の問題でもあるので、その部分は私が遠慮なくメタタカリさせていただくことにします。
Dan the Metawriter
smoothさんに教えてもらい見に来ました。
ちなみに私は書評blogを持っていませんが、
考察を拝見して、今は紙のメディアとblogなどのメディアの影響力が逆転しかけているので、
両方の書き手が相互補完関係を意識していくことが、情報の共有に繋がっていくのかなーと思いました。
恐らく勝間和代さんの著書などで書かれていることもそういった方向のことだと個人的に思ってます。
取り急ぎメールでも良かったのですがお礼をかねて書き込ませていただきました。
これからも意見交換などさせてください。
水野俊哉