出版エージェントの果林社より献本御礼。しかし検索した限り今時Webサイトがなくって、添え状にもURIがないけど、大丈夫?>果林社

それはさておき、

Life is beautiful: 「お父さん臭い!」をビジネスのネタにしたベンチャー企業の話
一年ほど前に、「女の子が『お父さん臭い』と思うのは、自分と遺伝子の形が似ている異性のにおいを不快に感じるという近親相姦を避けるために自然が生み出した仕組みの結果」ということが実験で証明された、というニュースを読んだのを覚えているが(参照

この話題がまさに本書にも登場するのでちょっとあいのり。

本書「カラダから出るモノの楽しい話」は、文字通り大便から大衆まで、カラダから出るモノをまとめて扱っている一冊。大小便に関しては「ウンコに学べ!」という大傑作や、ベストセラーとなった「やんごとなき姫君たちの」シリーズなど以外に多くの本があるのだが、垢や体臭まで含んだ一般書はありそうでなかった。

目次
はじめに〜出す前に読む〜
出るモノ一覧
出るモノ分類図
Part 1 カラダから出るこんなモノ
Part 2 出す瞬間を味わう
Part 3 出たモノをじっと見る
Part 4 出たモノが放つ第二のモノ--においの話--
Part 5 出たモノのゆくえ
おわりに〜出したあとの悦び〜

現代ではとかく嫌われがちな「出るモノ」だけど、出さなければもっとやばい。なにしろ、

404 Blog Not Found:事実は星小松筒井より奇なり
一年あたりにすると約625kg。日本人--に限らず、ヒトはだいたい一年に体重の10倍程度の食料を必要としているのです。

という具合に、我々は一年に「十回転」以上している。「一回転」分は残るとしても、残りの九回転は出てしまうのだ。重量だと一番大きいのは尿と吐息なのでが、それだけじゃ足りないのは明らかで、そしてそれ以外の部分も本書ではきちんとカバーされているのだ。耳あか一粒残さず。

科学的には、モノの出入りというのは知見の宝庫で、たとえば重水素を発見したユーリーは、この重水素を使って贅肉ですら流れる川である、すなわち毎日作られては壊されていることを立証している。今は代謝研究ではもっと便利な放射性同位元素を使うが、体のモノの出入りを究めるとノーベル賞も獲れるという例である。ちなみにこのユーリー、アシモフの上司でもあり、上司としてはなかなか難儀な人だったみたいだ。

個人的には、もっとハードコアな科学も盛り込んで欲しかったが、小倉ともこのイラストとあいまって本書はいつでもどこでも気軽に読める一冊となっている。これならカバーをかけなくても電車の中で読んでも安心だ。また、著者がドクター、それも寄生虫学、熱帯医学、幹線免疫学という「出るものを見て診断する」ドクターということもあり、医学的にも安心して読めるのもよい。

今日もあなたの「出すライフ」が快適でありますように。

Dan the Metabolizer