毎日コミュニケーションズ出版事業本部編集第3部書籍編集1課の田島様より献本御礼。
こちらがもたもたしている間に、すでに
という具合に書評が先を越されてしまったが、ネットで動画を扱うための参考本としては出色の出来である。
本書「FFmpegで作る動画共有サイト」は、動画処理ライブラリーとしてもっともポピュラーなFFmpegを軸に、YouTubeやニコニコ動画のようなサイトを自作するために必要な知識を過不足なく一冊の本にまとめたもの。
目次 - MYCOM BOOKS - FFmpegで作る動画共有サイトより- 動画共有サイトのしくみと可能性
- 動画共有サイトとは
- 動画共有サイトの配信スタイル
- 動画共有サイトの構成要素
- FlashVideoを使った動画共有サイトでの動画再生の流れ
- 動画コンテンツ制作のハードル
- プライベートおよび小規模動画共有サイトの可能性
- 動画ファイルの種類と動画共有サイトの歴史
- 動画の規格
- 動画配信の歴史とサービス
- FFmpegのインストールと使い方
- FFmpegとは
- FFmpeg のインストール
- FFmpeg を使ってみる
- FFmpegをさまざまなプログラム言語から利用する
- PerlからFFmpegを使う方法
- PHPからFFmpegを使う方法
- PythonからFFmpegを使う方法
- JavaからFFmpegを使う方法
- 字幕入り動画共有サイトの設計と構築
- 動画共有サイトの設計
- Flashで作るFLVプレーヤー
- サーバアプリケーションについて
- データベース構築
- 動画投稿フォームを作る
- 表示画面を作る
- サイトの動作確認
- サーバの負荷と設定、Webへの公開
本書の素晴らしいのは、サーバー側の開発環境に関してTMTOWTDIのポリシーを取っていること。おかげでわざわざ他の言語を再学習しなくても、ffmpegの恩恵にあずかることが出来る。本書があれば、静止画像をサーバー側で扱う経験をした開発者なら、難なく動画を扱うサイトを作ることが出来るだろう。
もう一つ素晴らしいのは、クライアント側の環境もきちんとカバーしていること。個人的には、気心知れたffmpegよりも、FLVプレイヤーの作り方を紹介したこの後半部がいろいろ参考になった。クライアント環境の方はサーバー環境と違って、Flashによる独占なので、これは動画サイトを作る上では、今や必須となっている。動画サイトに関しては、FlashとActionScriptがAjaxにおけるJavaScriptのような役割を果たしている。
もちろん、これで本当にYouTubeやニコニコ動画に比肩するサイトが作れるわけではない。あのクラスだとインフラの知識まで必要で、それはとても一冊の本でカバーできるものではない。しかし本書の範囲だけでも、たとえば字幕.inのさとるさんのようなサイトをいろいろ作るのは十分可能だ。
あなたもさとるさんになれる--かも知れない。
Dan the Man with Too Many Libraries to Use
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