築地書館より、「本が好き!(β)」経由で指名献本御礼。

うーん、久しぶりに「わかりませんでした」という一冊かも知れない。

もう少し正確には、「きちんと読んだはずなのだけど、きちんと読んだという手応えが不十分」という感じか。

本書「責任と癒し 修復的正義の実践ガイド」は、修復的正義(Restorative Justice)の本。そこまではいくら私でもわかる。

目次 - 責任と癒しより
1章 概観
なぜリトルブックなのか
修復的正義とは〜ではない
修復的正義が大切にするのはニーズと役割
2章 修復的原則
修復的正義の三本の柱
「誰が」「どのように」が重要
修復的正義の目的は事を正すこと
修復的レンズ
修復的正義を定義する
修復的正義の目的
修復的正義のガイドライン
修復的正義の道標
3章 修復的実践
対面を伴う主要なアプローチ
「誰が」と「どのように」によってモデルが異なる
目的が異なるモデル
修復的連続性
4章 「あれかこれか」なのだろうか?
「応報的司法」対「修復的正義」?
「刑事司法」対「修復的正義」?
修復的正義は河である
補遺 修復的正義の基礎的原則
原注
関連図書
修復的正義の日本における実践のこれから - 訳者あとがきに代えて
著者、訳者略歴

が、肝心の修復的正義が、わかったようなわからないような、という感じなのだ。

少なくとも、それが罪と罰から構成される現在の正義/司法(justice)システムの代替的(alternative)手法であること、それが今後より重要になってくるであろうこと、まではきちんと読み取れたと思う。

しかし、具体的にどう修復的正義を実践し、どんな場合にそれが有効でどんな場合には「古典的」正義がより有効なのかがいまいち読み取れないのだ。

なぜかというと、具体例があまりに少ないから。

本書は109ページ。原著はさらに短くて64ページ。率直にいって短すぎる。私のようなバカ(dummy)は、実例がないと「わかった」という確証が得られないのだ。なんというか、コメントなしのコードだけ見せられて、「これを理解した上でデバッグしろ」と言われた感じ。それが一体どんなデータを処理し、どんな出力が期待されているかわからないと「わかりました」「直しました」とは言いがたい。

たとえば、カノジョを妊娠させちゃって、ポコチンをそり落とすのが古典的正義で、カノジョとできちゃった婚するのが修復的正義なのだろうか。本書を読むかぎり、この設問はYesなのだけども、こんなのでいいんか?

それでも、修復的正義(Restorative Justice)という概念重要、というところまではわかったので、「問題集」をきぼんぬ。

普段から「正義」に携わっている人々は、本書でも充分なのだろうか。それが気になる。

Dan the Restorative Reader



責任と癒し―修復的正義の実践ガイド
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