さすがの私も、「献本された」「役に立つ」「実用本」ばかり書評していると胸焼けする。

というわけで、今回は「自腹で買った」「役に立たない(でもムスコは立つかも)」「娯楽本」を紹介することにする。

ただし、以下の人は読んじゃダメ。

  • 18歳未満の人
  • シャレのわからない人

それ以外の人は、「つづきを読」んで下さい。

本書「正しい保健体育」は、みうらじゅんが書き直した性教育の教科書、もとい掻き直した狂歌書。

目次 - 手淫、もとい手入力
第1部 保健体育を学習するにあたって
  1. 義務教育の大切さ
  2. 「恥ずかしい」というセンス
  3. 童貞期に学ぶべきこと
  4. 大人になってからの差
  5. つまらない「いい大人」にならないために
  6. 自分塾の開講
  7. 「優しさ」を育もう
  8. 時間の大切さを知ろう
  9. オナニーとセックス
  10. やりちんにもやりちんの道がある
第2部 現代社会と健康
第1章 健康の考え方
  1. 長寿社会を迎えて
  2. 長寿社会を生き延びるには
  3. 戒名をあらかじめ考えておく
  4. 人は何歳まで生きられるか
  5. 健康をどう考えるか
  6. 健康診断
第2章 生活行動と健康
  1. 食事と健康
  2. 喫煙と健康
  3. 飲酒と健康
  4. シンナー・覚せい剤の害
  5. 医療品と健康
第3部 生涯を通しての健康
第1章 思春期と健康
  1. 思春期の体の変化
  2. 排卵と月経のしくみ
  3. 射精のしくみ
  4. 異性とどう向き合うか
  5. 性と愛
  6. 性知識の正しい研究と発表
第2章 金玉と包茎
  1. サオとフクロ
  2. 砲身と弾丸
  3. なぜ「完全バイブ」がないのか
  4. コンドームと包茎
  5. 包茎と愛
第3章 家庭生活と健康
  1. セックスとパートナー
  2. 結婚の意義
  3. 避妊具の役割
  4. 友人の妊娠がわかったら
  5. 自分の子供が生まれるまでに
  6. 父親と母親の役割
  7. つまらない「いい親」にならないために
第4章 加齢と健康
  1. 壮年期の健康
  2. 「飲み代」のからくり
  3. サービスとメモリー
  4. VAとAV
  5. 余暇の健康的な活用
  6. 高齢化社会
  7. 健やかに老いるために
  8. 死を迎える準備
研究課題
さくいん

あなたは教科書に落書きをしたことはないだろうか。まじめなあなたは、そんなことはしなかったかも知れない。チョイ悪なあなたは、肖像画にヒゲを付けたり額に肉って書いたりしたかも知れない。私は「エロ本」と書いたカバーをかけたり、それをさらにビニールに入れたりした。学校におけるペルソナ・ノン・グラータになって当然である。

本書はいわば、そのノリを徹底したものとも言える。中坊の落書きよりもオトナなのは、著者がフォーマットの力をきちんと知っていて、それに則った上でくそまじめにいたずらしていることである。このあたり、Monty Python の The Meaning of Lifeを彷彿とさせる。

いくつか例をあげて、そのまじめぶりを見てみよう。

図1-2
本来は正しい人
P. 85
Q テレビを見ていたら、「ラブホテル」という場所があると言っていました。それはどんなところでしょう?
A ラブホテルはお城です。重要文化財ですからおいそれと一般人は入れません。数十年に一度の「ご開帳」と呼ばれる期間のみ入場できますが、20歳以上でしか入ることは出来ませんし、拝観料も取られます。
P. 87
Q インターネットで、「バイブレーター」というものがあると書いてあるのを見ました。それはどんなものなのでしょうか?
A 重要文化財のラブホテルで発掘される出土品です。数年前に持ち込んだバイブレーターを埋めて、あたかも今発見したかのように「捏造」した考古学者がいたのは記憶に新しいところですね。

というわけで、なかなか愉快な一冊なのだが、一つ難点があるとしたら、本書があまりに男の子視点で書かれていることだろう。なにしろ女性の生殖器(卵巣や子宮も含む)は「スカイフィッシュ」。本書において女の子はあくまで「謎の彼女X」として取り上げられている。シャレのわかる女性であればそれでも楽しむことは出来るだろうが、おいてけぼり感は確かにある。

「正しい保健体育」(みうらじゅん)男子必読 - 児童書読書日記
理論社にはバランスを取って、女子にも「正しい保健体育」を提供するする義務があります。どうでしょう、理論社さん。

大賛成。男がどんなバケモノになるか私も興味津々だ。

ただ著者の候補として、

私は岩井志麻子 あたりがよいかと思うのですが……。

というのはどうだろう。著者候補は子宮について書ける人で、子宮で書く人とは微妙に違うからなあ。三砂ちづる?女については文句無しかも知れないが男に関する描写はどうだろう。山口みずか?本物の教科書が出来そう。いっそ柏木ハルコというのは?

Dan the Sky Fisher