ミーツ・コミュニケーション・デザインの福嶋様より献本御礼。

「実はそういうことか」という驚きよりも、「やっぱりそういうことか」という共感に溢れた、本書自体が女性心理の反映のような一冊だった。

本書「彼女があのテレビを買ったワケ」は、主婦マーケティング(マーケティングリサーチ):ハー・ストーリィ社のチーフプロデューサー、木田理恵が女性に対するマーケティングを説いた一冊。

目次 - X-Knowledge HOME PAGEより抜粋
はじめに 買物は会議室で起こっていない
■CHAPTER 1 男女の買物行動
テレビ購入、決意の真相
コラム:売れっ子家電量販店販売員は機械が苦手!?
スペックにこだわる男性、イメージにこだわる女性
勝負にこだわる男性、共感したい女性
結果がよければいい男性、買い方にこだわる女性
あなたの買物価値感は?
コラム:ショッピングタウンと秋葉原
■CHAPTER 2 モノが売れない時代
どうしてモノが売れないのか?
消費の鍵を握る女性
二極化する買い物
「売り方」次第でモノは売れる
■CHAPTER 3 女ゴコロをつかむ8つのキーワード
◇キーワード1 【幸せ】
◇キーワード2 【育む】
◇キーワード3 【選ぶ】
◇キーワード4 【共感】
◇キーワード5 【誠実】
◇キーワード6 【特別】
◇キーワード7 【ご褒美】
◇キーワード8 【学ぶ】
■CHAPTER 4 女性のココロをつかんだ注目商品
ディズニープリンセス
ネピア 鼻セレブ
Wii
大地宅配
ABCクッキングスタジオ
■CHAPTER 5 五感
女性は五感に優れている
感情を揺り動かす「五感」
「五感」を刺激するしかけ
コラム:意外と気になる、不自然な匂い、音…etc.
■CHAPTER 6 企業の女性視点マーケティング
活躍が期待される女性マーケター
デキル女性マーケターになる!
デキル男性マーケターになる!
■付録 女ゴコロをつかむ習慣

一口に「女性心理」「男性心理」とは言うが、実際のところ我々は生理学的にさえ「100%女性」「100%男性」ということはない。これは心理に関してはより真理に近い。

試しに本書に載っていた買物価値観テストをフォーム化してみた。なるべく考えないでやってみて欲しい。ちなみにデフォルト値は私の答えだ。

  1. 商品のスペック表や比較表を見るのが好きだ
    YES NO
  2. 自分がなぜその商品を買ったかをきちんと説明できないことが多い
    YES NO
  3. いくつかの商品を比較し、一番優れているのはどれかを検討する
    YES NO
  4. 衝動買いすることが多い
    YES NO
  5. こだわって集めているコレクションがある
    YES NO
  6. 販売員とおしゃべりするのは楽しいと感じる
    YES NO
  7. 友人が自分より優れた機能の商品を持っていると悔しい
    YES NO
  8. お気に入りの商品や店の話で友だち盛り上がる
    YES NO
  9. 買う目的もないのに、ウィンドウショッピングに出かけることはない
    YES NO
  10. 欲しいものがあったのに、店や店員の雰囲気が嫌でやめたことが何度かある
    YES NO
  11. 費用対効果を考えて、もっとも価値のある賢い買い物がしたい
    YES NO
  12. ストレス発散をするために買い物に出かけることがある
    YES NO
女性的買物価値観:
 

あなたの答えはいかがだっただろうか。自分の性別と比較してどうだっただろうか。

私は、買い手の行動の長期的変化に、男性的(masculine)になったとか女性的(feminine)になったというより、男女を問わず男性的判断と女性的判断のいいとこどりをするようになったと「感じて」いる。

そう、「感じて」いる。これ、女性的買物心理に関する重要なキーワードだ。本blogの書評でも、私はこの言葉を以前よりよく使うようになった。放っておくと「考えて」としてしまうところを、「本当に考えた結果なのか、実際には感じた結果なのか」と自問して、「感じた」場合にはそう書くよう心がけている。アフィリエイト売り上げの向上がその結果なのかどうかはわからないが、後で読み返した時により気持ちよくなったのは確かだ。

話を元に戻す。例えば、あなたはこんな買い方をしないだろうか。欲しいものがある。例えばMP3プレイヤーが欲しいとする。その場合、それをiPodシリーズにするところまでは感性で決めてしまう。しかしClassicにするかNanoにするかはたまたshuffleにするかは少し考える。そしてNanoにしたとして4GBにするか8GBにするかは値段と手持ちのコンテンツの量をよく考えて決める。

これが高額商品ともなれば、実際に男女が分業して決めることも珍しくないだろう。例えば今の住まいは、マンションは妻が決め、どの棟を買うかは私が決め、何を付けるかはおよそ本棚を除き妻が決め、そして価格交渉は私が行った。

今や、男性に対してモノを売る場合にさえ、女性心理に対する考察が必要な時代なのだ。

本書の著者は女性である。が、男性心理に対する配慮も見事だ。特に最後に出て来た住宅機器メーカーのAさん(男性)の事例は、AさんもさることながらよくそのAさんを見つけたものだと感心する。

私が考え感ずるに、よきマーケッターというのは、女性心理2に対し男性心理1ぐらいで出来ている。そして日本では労働力不足が叫ばれているにも関わらず、相変わらず寿退社と現場復帰困難という現実が待ち構えている。しかし主婦というのは、マーケッターとしては「新人」ではなく「中途」である。

というわけで、本書はモノが売れないことを嘆く会社の人だけではなく、ヒトが来ないことに悩む会社の人にもオススメだ。

最後にもう一度繰り返す。女性心理への理解がなければ、男にすら買ってくれない時代に、あなたも私もいるということを。

Dan the Relatively Masculine Marketee

追記:こんなページを発見。惰訳には長過ぎるけど。