まずは一点修正。
「書籍の執筆よりもブログを書いた方が儲かる」と有名ブロガーたちが言い放つワケ :投資&お金活用実践Webマガジン MONEYzine(マネージン)池田氏と並び、元ライブドア取締役でオープンソース開発者の小飼弾氏もそのブログで書評を展開し、アフィリエイト収入を稼ぐ有名ブロガーのひとりだ。小飼氏は月に7000冊近くもの書籍を読者に紹介し、50万円程度のアフィリエイト収入を得ていると思われる。本人も 「アフィリエイトでメシが食える状況になっている」 と現在の状況をブログで述べている。
これ、紹介数ではなく販売数ですね。
ただ、これはあくまで月間販売点数ですから。
ということです。
とはいうものの、記事の大意は間違っていません。それがちょっと哀しいところ。
例えば、「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」の初版印税は、私の月間アフィリエイト収益よりも少ない。今までの原稿料とあわせてやっと同じぐらい。しかも印税というのは何ヶ月も先。増刷がかかってもその分の印税はさらに先。二ヶ月で清算されるアフィリエイト収益とはえらい違い。
別に私のケースに限った話ではないのだけれども、出版界というのは明らかに他の商売と比較して「甘え」が強いように感じる。価格一つとっても定価だし、制作者に対する支払いサイトはやたら長いし。その上再販制度で守られている。
だけど、長い目で見て甘えている業界が伸びた試しってないんだよね。コメがどうなったかを見ればあまりにも明らか。同じ農業でも、コメとその他では農家の意識がぜんぜん違ってたもの。
それでも、産業全体が甘えているのは、自社が甘えなければならない理由にはならない。そして、産業全体で甘えているところで甘えを断っている会社は強い。出版だとディスカヴァーがそう。出版業なのに、社員の半分は営業。なぜかといえば、直販しているから。そこではたしかに「本を出してやっている」のではなく「本を一緒に作って」いる。だから売れる本が出来る。「はじめての課長の教科書」のように競合がほとんどない本が出来る公算も高くなるし、〈「仕組み」仕事術〉のように、競合だらけなのに売れる本も出来る。
本は文化を担っている。その通り。しかし文化を担っている商品は、何も本だけではない。本は文化である以前に商品であるという認識を持った方が、出版社も著者も、そして何より読者が幸せになれると日に日に強く感じている。
Dan the Author
でも、刷った分は印税になる仕組みなので、その辺りをどう考えるかという問題もありますね。
ところで、私の新刊『会計のルールはこの3つしかない』もそのうち版元から行くと思います。宣伝まで!