日本実業出版社長谷川様より献本御礼。
なぜか二度献本されてきたが、書評の督促かしらん:-)
督促されるまでもなく紹介するに足りる一冊だったのだけど、遅くなってしまって申し訳ない。
本書「経常利益率35%超を37年続ける 町工場強さの理由」は、タイトルどおり>経常利益率35%超を37年続けている優良中小企業、エーワン精密の創業者による中小企業論。
日本実業出版社より- 第1章 驚異の記録〜37年連続売上高経常利益率35%以上
- 第2章 町工場こそわが人生
- 第3章 短納期の秘密
- 第4章 これが利益を出す経営だ
- 第5章 成功するために必要なこと
- 第6章 日本のモノづくり再生計画
同社の成功に秘密らしい秘密はない。コレットチャックという小さいけれども確実に需要があるニッチを確実に抑えた上で、新規事業(同社の場合は切削工具)はあくまで余力で乗り出すこと。あえて違いを上げれば、同社は「売上げ」ではなく「利益」をきちんと追求してきたことにある。
実のところ、中小企業の経営ほどおいしい商売はない。なにしろ、同じことをしても大企業よりもずっとコストが低いのだ。大企業であれば組織分けしなければならないところも、中小企業であれば不要。スケールメリットを考慮しなければ、同じことをしても中小企業の方がずっと儲かるのだ。
にもかかわらず、中小企業の経営が大変だと思われている一番の理由は、当の中小企業経営者に利益を守ろうという考えが希薄だから。著者はそれのみが「唯一、日本の町工場が世界と比べて劣っているもの」(p. 180)だと喝破する。
実際経営をしてみると、キャッシュフローさえあれば利益がなくとも会社は回ることが肌で実感できる。それゆえに「まずは売上げ、利益は二の次」となりがちだ。これは中小企業に限ったことではないのだが、しかし利益がなければ経営は長続きしない。
勝間式「利益の方程式」 P. 14すなわち、売り上げを上げるために利益を度外視して、無理な働き方や、必要もない仕事を作ってしまっているのです。
ということなのだ。そんな著者の経営をひと言でまとめると「速い、うまい、安売りしない」ということになる。基本中の基本なのだが、売上げに目を奪われると最後を忘れてしまう。それこそが日本の中小企業の多くが陥っている病なのだ。
実のところ、同社のような優良中小企業は日本に少なくない。その中にあってなぜ同社が注目を集めたのかといえば、やはり店頭公開したからだろう(証券コード6156)。しかし私は同社がとった経営戦略の中で、この店頭公開のみが蛇足におもえてならない。見ての通り、自己資本比率が9割を越える同社は、市場からの資金調達を全く必要としていない。出来高も一日一桁では、市場の無駄遣いもいいところだ。
日本の中小企業問題の一つは、店頭公開でもしない限り「そこにそういう企業がある」ことそのものがわからないことかも知れない。公開の理由はなにも資金調達ばかりではない。いや、今や「アテンション」こそが公開の最大のインセンティブと言えるかも知れないが、それをためだけに公開というのは斧でひげ剃りもいいところなのだ。
ネットというのは、「零細企業」と「上場企業」の情報ギャップを埋めるための装置となりうるし、事実そうなりつつもあるが、それでも充分有効活用されているようには感じられない。中小起業どおしを系列のような縦ではなく横につなげる仕組みがあれば、中小企業経営もさらに面白くなるように思えるのだが。たとえば後継者がいない工場も、廃業ではなく転売することがずっと簡単になるはずだ。
本書のような個々の成功事例もよいが、そろそろ企業を越えた「仕組み」も見てみたいものだ。
Dan the Entrepreneur

しかし決算書をみると???????
からくり
給料手当てが4500万円ほど、
従業員数94人
平均給与が550万円←なわけないだろ!
正社員は10名ほどであとは非正規雇用で販売管理費を激安の3億2000万円!で経常35%!
パート、アルバイトで安心して物つくりに精進できるんですかね。税金だけでなく社会保険料も94人分納めてくれ!