これは、事実。

下の図をみればわかるように、価格が急騰している米でもここ30年で生産量は倍増しており、絶対的な食糧不足は存在しない。
しかし、これもまた事実。
日本の食糧事情|ごはんを食べよう国民運動?ごはんを中心とした日本型食生活のよさを見直しましょう?日本で残飯などとして捨てられる食べ物は年間2000万トン、食料供給量の約1/4にもなります。金額では、11兆円に上るともいわれており、その量は年々増えています。
なぜこうなったかといえば、市場経済がうまく行ったからだ。
確かに、食物は食物の段階では統制の下にある。しかしそれが食料品となって販売され消費される段階は市場経済的になされる。その結果、過剰に供給して売れ残りを捨てた方が、供給が逼迫して機会損失が発生するよりもマシだという状態になる。
残飯として破棄した方が、仕入れないより安上がりなのだ。

一口に2000万トンといっても、これは日本の米生産量の二年分に相当する量だ。「もっと米を食え」とか「『もったいない』精神を復活せよ」とかといった情緒的な解決法ではどうにもならないだろう。ましてや、船場吉兆メソッド(苦笑)を、家庭はとにかく外食産業、というよりその顧客たちが受け入れるとは思えない。
食物に限らず、市場経済においては、供給はどうしても過剰になりがちだ。経済学は需要と供給が一致するというけれど、それは市場が「均衡」(equilibrium) に達してからであって、達する前にはどうしても供給が不足したり過剰になったりする。それでもまだ、耐久財は作りすぎても在庫できる。食物も、穀物であれば数年在庫できるが、食料品となったら、あとは賞味期限が切れるまでの命。「売り切れ」がいやなら、作りすぎて残りを捨てるしかないし、残りを捨てても利益は残る。
食料品は「まだ」1/4だ。書籍の場合、返本率は4割にものぼる。
だからといって、農業をこれ以上「保護」するというのもおかしい。「農業」が保護されているかどうかはさておき、農業に補助金を出すと農家よりも穀物メジャーの懐に入る額の方が多いというのがこれまでに得られた教訓でもある。
もう少し、いい手はないのだろうか....
Dan the Economic Animal in Abundance
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。