分譲マンション歴2件目、9年目のオレが来ましたよ。

ハコフグマン: 東京でマンションを買うこと
僕のように30代も半ばになってくると、周りの友人がみんな35年ローンとかでマンションなどを買い始める。「家賃払うより、後で自分のモノになるんだから得でしょ」「転勤すれば、そこを賃貸にすればいいし」などと言う。だけど、35年も(基本的に)解約できないモノに、何千万円もよく投資できるなと感心してしまう。

最近ではすっかり主流になった感もある「持つより借りろ」ですが、そうとも限らないこともある、ということで。

35年ローンを35年も払う人はまずいない

たいていの場合、繰り上げ返済するでしょうし、それよりずっと前に売却するでしょう。私の場合、最初の物件は35年ローンで買いましたが、1年半で全額返済、5年後に今の住まいという遍歴なのであまり一般的な参考にならないと思いますが、全額返済ナシで5年間普通にローンを支払っていた場合で計算しても、賃貸よりかなり安上がりという結果になりました。もちろん修繕積立金や管理費まで含めてです。

分譲マンションは部屋をいじりまくれる

panorama

で、今住んでいるのが

なわけですが、広さはとにかく、壁一面の作り付け本棚とかというのは賃貸では難しい。他にもサーバー部屋(42Uのラックが置いてある)とか全部屋1000Base-TX装備とかといった設備があるのですが、こういうものは賃貸ではかなり難しい。サーバー部屋などはとにかく、部屋を思う存分いじりたかったら賃貸では制約があるというのも考慮に入れておきましょう。ただし、この場合はむしろ割安な中古を手に入れた方が割安だとは思います。

区分所有権は「市民権」

もう一つ、決定的に違うのは、賃貸では区分所有権という、マンションという「コミュニティ」の市民権が得られないこと。住んでみると、このことは実感できます。この権利は結構大きくて、以前住んでいたマンション(440戸)や今住んでいるマンション(381戸)ぐらいの大規模マンションになると、まさに自治体そのもの。管理組合というのはまさに「市議会」で、その運営のよしあしで資産価値まで変わってきます。

その様子がどんななのかは、以前

でも書いたので繰り返しませんが、マンション一個丸ごと自分達で改善する、というのは賃貸では無理な芸当です。

まとめ

結局賃貸でなく所有の利点というのは、その物件に対して出来ること(option)が格段に多いということに尽きるのではないかと思います。どう資金繰りし、どう住まい、どうコミュニティに関与するのか。賃貸ではこれらは大家のお仕着せを受け入れるしかありませんから。

乱暴なたとえですが、外食と自炊の違いに相当するかも知れません。前者は便利ですが見えないところで手数料をかなり取られます。意外なところでは電気代を大家が設定していたり(これ、OKなんですよ!賃貸の方はチェックして下さい)。後者は面倒ですが融通は遥かに効きます。

仮に寝泊まりするためだけに利用するとしても、人生の1/3を過ごすのが住まいです。実際に休日も含めれば半分以上でしょう。そういう場所を単なる「コスト」と見なすか、「資産」と見なすかで、人生の豊かさもだいぶ変わってきますヨ。

Dan the Man @ the Penthouse