同誌には珍しく、今回は単独企業の特集。
ヤマダ電機 異形の2兆円企業
その対象となっているのが、ヤマダ電機。「家電量販店」という「クラス」ではなく、「ヤマダ電機」という「インスタンス」になっている理由は、同社が単に業界トップであるというのに留まらず、メディアを好まない同社の創設者、現在も会長兼CEOである山田昇の単独インタビューに成功したことも大きいのだろう。
同社の扱いがいかに「特例」なのかは、表紙にとどまらず、特集内の各記事にも反映されている。
- ヤマダはまだ「買い」ですか?
- ヤマダはもう「伝説」ですか?
- ヤマダはなぜ儲かるのですか?
- ヤマダは本当に安いですか?
ただし、本記事は同社の広告記事でも提携記事でもない。極めて良心的かつ包括的な、「小売目家電量販科」という「生物」全般の記事である。しかし「霊長類ヒト科」について書いた記事のタイトルに「ヒト」とつけるのに通じる自然さが、「家電量販店」ではなく「ヤマダ電機」という表題にはある。
例によって業界地図やデータは抱負にあるのだが、本書で最も重要だったのはやはり山田昇インタビュー。それも全部ではなく以下のひと言。
三兆円の販売力があれば、大手メーカーさんにヤマダ電機専用ラインを設置してもらい、ヤマダ電機専用の製品を生産してもらうことができる。ユニクロやセブン-イレブンのような「製造小売り」への転換が、われわれ究極の目標としてあります。
別の言い方をすると、ヤマダ電機ですらその域に達していないということになる。実はこの製造小売りというのはWal-Martも大々的にやっていることで、Wal-MartとProctor & Gambleとの蜜月ぶりはMBAでのケーススタディでも使われるほど有名である。
それゆえ、本特集が「小売目家電量販科」に終止しているのがちょっと残念。どうせ特集にするなら「小売目」まで拡げて欲しかった。家電に関する疑問は少なくない。特に大きいのが、
- なぜメーカーは直販しないのか? -- AppleもDellもやってるじゃん
- 通販はどうよ -- 最近は数万円以下ならAskulやAmazonで買ってるんですけど
の二つ。次はこれらを主人公に特集して欲しい。
Dan the Consumer

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