サバイブSNS第1回オフ会、参加者のみなさまお疲れさま。参加できなかったみなさん、またの機会を。

で、そこでも話題になったのがこれ。

非承認型社会「日本」へようこそ - Thirのはてな日記
この国は今、「非承認型社会」、即ち「他の誰でもない自分」が承認されない社会となりつつある。あるいは、自分ですら自分という存在を承認することが出来ない状態になっているのではないか。

私はこれとは全く逆の印象を持っている。

このオフ会成立そのものが、その傍証ともなるだろう。私はかつてであれば「他者」(strangers)であったはずの参加者各位を実に手軽に「承認」(recognize)し、個人宅に招いた。これほど簡単に他者を承認するのは、前世紀では不可能だったのは確かだ。インターネットとSNSがそれを可能にしたのだ。

ただし、ここで私が言う「承認」が、id:thirと異なるのも明らかである。

非承認型社会「日本」へようこそ - Thirのはてな日記
ここでいう「承認」とは、自らが他の誰とも代替不可能な存在として認められることを指す。自らの物語・生き様が他者のものとして回収・吸収されることなく他者のそれと連結され、社会において一つの存在として認められることと同義である。

私が言う「承認」は、ここまで「大げさ」ではない。「他の誰とも代替不可能な存在として」という付帯条件は抜きに「認めた」のであれば「承認」である。とはいえ、いちいち「thir的承認」というのも「弾的承認」というのも面倒なので、ここは私が譲って、「弾的承認」は「接続」(link)と言い直すことにする。

で、接続の容易性は、かつてないほど上がっている。人と人がつながるのがこれほど簡単な時代があっただろうか。つながりたい?マイミク申請をどうぞ。誰もmixiに招待してくれない?facebookなら招待不要です。もちろんサバイブSNSもね。

しかし、接続を太くして、承認まで持っていくコストが高くなったというのも実感としてある。かつては「俺の嫁」すら親戚が見合いをお膳立てしてくれた。今や嫁というのは恋愛を経て得るというのが常識であり、そして恋愛というのは自腹であり、そして自腹である以上、そこに期待するリターンは見合いの場合よりもずっと大きく、それゆえそのコストが支払えなかったり、コストに見合った--そう、見合った--リターンを得るのが難しいと嘆く者が増えてきた。

求職についても同様。雇用者が求職者に求めるものは、かつてないほど大きくなっている。同じ給与ならかつてより多くの技能を持ち、同じ技能ならかつてより少ない給与で満足することが要求されている。

その意味において、現代は接続開始コストがべらぼうに安くなった代わりに、接続強化コストがべらぼうに高くなった時代とも見なせる。マイミク1000人カレカノなし、もう充分みくみくにされてますってわけである。

なぜそうなったのか。かつてあった「強制承認」(forced recognition)が「うざい」ということでゼロに近いところまで減ったからだ。地縁血縁と言い直してもよい。そこには承認がある代わりに、「貴様かくあるべし」という呪縛(bind)もあった。代替不可能の見返りに変更不可能でもあったのだ。「そんなのつきあっていられるか」と反旗を翻したのが、団塊の世代。「大きな社会」との戦いには敗北した彼らではあったが、「小さな社会」に対しては見事な勝利を収めた。

こうして、その子どもたちは、リンクゼロのまま娑婆に放り出されることになった。しかしこれに関しては、団塊の世代の勝利を歓迎したい。リンク強化コストのインフレよりも、リンク獲得コストのデフレの方がずっと激しかったのだし、そしてなんといってもリンク切断が解禁されたのだ。かつて結婚は「死が二人を分つまで」という永続リンクであったが、今や手続きを踏めばこのリンクは切断可能である。一言で言えば、やりなおしが利くようになったのだ。

リンクが安価になり、そして「アンリンク」も含めた「繋ぎ直し」がやりやすくなったことで、「繋がる」ことの意味は質的にも変わったのである。「手持ちのリンクがしょぼい」は、もはやいいわけにならなくなった。それを繋ぎ直すのは今やあまりに容易なのだから。

だから問題は、変な言い方になるが若者の考えが古いままであることにある。うざい承認だったら、切ってしまえばいいのである。承認ほしさに偽りの自分を演じる必要など、ない。そして承認してくれる人が欲しかったら、まずはリンクを増やしていくこと。あなたを承認してくれる「深化OK」な「ノード」が見つかるだろう。今ある「ノード」に承認をごねるより、よっぽど楽。

「誰も承認してくれない?」あなたは何人に声をかけましたか?100人?200人?諦めが早すぎます。かつて10人に声をかけるコストで、1000人、いや一万人に声をかけられる時代なのですから。

Dan the Man with Too Many Links to Thicken