オライリー矢野様よりいつもどおり献本御礼。
初出2008.08.22; 販売開始まで更新
ここ数日は本blogを更新する魔もないほど忙しいのだけど、これは紹介せざるを得ない。
フォクすけは、脱いでもすごいんです:)
本書「Firefox 3 Hacks」は、世界で最も「普遍的」な「ブラウザー」である、Firefoxの最新版であるVer 3.の「ハック本」である。
目次 - oreilly.co.jp -- Online Catalog: Firefox 3 Hacksより
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先ほど「普遍的」「ブラウザー」と括弧付きで書いた。まず「普遍的」の方だが、PCやMacといった、いわゆる「デスクトップ環境」では括弧抜きで普遍的な「ブラウザー」であることは間違いない。一度はIEに息の根を止められそうになったというのが信じられないぐらい今では標準的となった。ちなみに本blogのアクセスは、Google Analyticsによれば6割がFirefox経由である。
Firefoxがまず素晴らしいのは、なんといってもクロスプラットフォームであること。Windows や Mac OS X だけではない。私が Ubuntu にあれほど感嘆したのも、標準ブラウザーが Firefox だということが大きい。ほんと、「その中にいる」と、OSの違いを感じさせないのだ。Leopard化が遅くなったのも、まあ忙しかったというのが第一の理由だけど、Firefoxのおかげでそれほど困らなかったということもある。
いまや「デスクトップ環境」というのは、Firefox置き場といってしまえば言い過ぎだろうか。
もちろん、Firefoxだけがブラウザーではない。Windowsのみとなってしまった IE こと Internet Explorer はとにかく、 Safari は Windows 版もあるし、 Opera は Firefox と同じく Win/Mac/Linux の「トリプルプラットフォーム」をサポートしている。
しかし、この4大ブラウザーの中で、唯一 Firefox のみがオープンソースである。
それが、「ブラウザー」を括弧付きで書いた理由である。もはやブラウザーというのは、単にWebページを斜め読み(browse)するだけのものではない。Gmailにアクセスすればそれはとたんにメーラー(MUA)となり、YouTubeにアクセスすればたちまちそれはビデオプレイヤーとなる。もはやブラウザーはネットサーフィンのための「サーフボード」ではなく、それを通して世界と関わるための基盤、プラットフォームなのだ。かつて「OS」と呼ばれていたものの役割のかなりの部分がブラウザーに置き換えられ、そしてアプリケーションというものがOSの上ではなくWebの上に置かれるようになった今、ブラウザーの重要性はOSを凌駕しつつあるのだ。
それほど重要なソフトウェアで、「脱がしてもいい」のは Firefox だけなのである。他はせいぜいHTML/XML/JavaScriptといったAPIのレベル、すなわち表面どまりしかわからないのに対し、 Firefox であればソースを見て確認できるのだ。それだけではない。そのソースを援用して「マイブラウザー」を作るのも簡単に出来るのだ。第四章をご覧いただきたい。ほんと、簡単なのだ。
一つ驚いたのが、本書が翻訳本でないこと。
はじめに本書は米国 O'Reilly Mediaから出版された書籍の翻訳ではありません。オライリー・ジャパンの独自企画であり、全Hackが日本人著者による書き下ろしです。
その理由は、是非本書で確認していただきたい。本書は日本発であるが、Firefox同様国際化を標榜しているようである。確かにその価値がある一冊だ。
あえて難をあげるとしたら、やはりこれかな。
Firefox 3 Hacks 予約可能に - えむもじらより
これってどこのコレジャナイロボ。まさか「IEジャナイ、Safariジャナイ、ましてやOperaとは別物だぁ!」というメッセージなのだろうか。
やっぱりここはフォクすけでしょう。
あるいはいっそ←の路線か:)
Firefoxは単なる「ソースコードが公開された」ブラウザーではないのだ。Linuxが単に「ソースコードが公開された」OSでないように。まず第一に、それが「ブラウザー」として優れていたから使われるようになったのだ。
しかし、Firefoxは単なる「ブラウザー」以上のものだ。本書は、そういう人のためにある。単なるネットサーファー以上のことをしたい人、必携です。
Dan the Firefox Tamer
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