気分転換にgOSを試してみた。
これ、気に入ったよ。オリジナルUbuntuよりいいかも。
これなら、確かに「Windows税フリー」な安価電脳にぴったしだ。
こちらが、その結果。
Google Gadgetを OS X の Dashboard 代わりに使うというのはいいアイディアだと思う。
とはいっても、実は gOS はほとんど Ubuntu で、違いは文字通り Skin Deep である。見比べてみればわかる。中身は Ubuntu 8.04 そのものである。
gOSとUbuntuの違いより、Ubuntu/Kubuntu/Xubuntuの違いの方が大きいのだ。これら三つはそれぞれデスクトップ環境が Gnome, Kde, そして Xfce であるが、gOS は Ubuntu と同じ Gnome。これの画像を入れ替えて、Google Gadget と Dock クローンを追加したら、はい出来上がり、という感じである。
gOSインストールと雑感 - ubuntu日記Dockの部分はほとんどがWebページなので「ブックマークでいいじゃん。」とか思っちゃうし、メーラーも入ってないし(WebのGmailのみ)日本語環境が揃ってもUbuntuからこれに乗り換える魅力は私はあまり感じないですね...。
というより、gOSはUbuntuそのもの。まだそこまで試してないけど、apt-get install ubuntu-desktop
一発でUbuntuに早変わりしましたぜ(一応確認してみた)。で、テーマを元に戻したらgOSに戻った、と。
にも関わらず、着ている服が違うとこうも印象が変わるか、というのが gOS に対する率直な感想。Ubuntu ベースの「着せ替えゲーム」がこれから流行るかも知れない。そもそも Ubuntu/Kubuntu/Xubuntu は全て「重ねて」インストールできるようになっている。
その Ubuntu そのものが、Debian GNU/Linux の「上手なまとめ」であるが、元々 RedHat 系が強かったはずの Linux Distro の世界でなぜ Debian 系がこれほど伸びてきたかと言えば、やはりあのパッケージシステムだろう。何が素晴らしいかというと、ソフトウェアの削除が実に安全に行えることである。
あるソフトウェアをインストールする前に、別のソフトウェアが必要になることはよくある。これを「パッケージの依存」というが、ソフトウェアの追加に関してこれをやってくれるツールは少なくない。RedHat飛躍の原動力となったrpmもそうだ。
しかし、その逆、ソフトウェアの削除に関してこれをきちんとやってくれる仕組みは実に少ない。FreeBSDの portupgrade はいい線行っているが、これは ports/package という「ソフトウェアの追加」をするための仕組みの上にちょこんと乗っているものであり、本来の ports/package は、削除しては行けないパッケージの削除を止める程度のことしか出来ない。あるパッケージを削除可能な場合に、そのパッケージしか利用していないパッケージまで一緒に削除することは出来ないのだ。
Debianが採用しているaptには、これが出来る。
これがどれほどソフトウェアを配る立場にある側にとって楽かは、想像を補ってあまりある。あるソフトを入れて不安があったら、いつでも Synaptic (GUI) か apt-get (CUI)できれいに削除できるのだ。
これだけしっかりした、APTというソフトウェア管理システムがあるからこそ、各(者|社)は「OS」という名の「デスクトップ環境」を「売りっぱなし」に出来るのだ。「一度使い始めたら、あとはネットに繋いでいつでもアップデートしてください。うまく行かなければ削除してください」でいいのだから。
もちろん、オープンソースソフトウェアの世界は玉石混淆であり、Ubuntuも時には馬脚を現す。たとえば私は「完全日本語化」された環境よりも「英語がベースで、日本語を通す」環境を好む。漢字Talk7が出てもずっとGomtalkを使っていたぐらいだ(おっさんだなあ)。現在の Mac OS X なら、[System Preferences] の[International]で日本語を追加してログインしなおすだけだが、UbuntuのLaguage Supportで同じことをすると、日本語フォントが実に醜くなる。
Viva! Ubuntu!! ? Blog Archive ? gOS 3 Gadget BETAがリリースデフォルトでは日本語フォントの表示が貧弱なので、パネル左上の「gOS」メニューから「System Preferences」>「設定」>「外観の設定」にある「フォント」タブで、フォントの変更を。
実は「正解」はこれではなく、
Ubuntuデスクトップで英語環境利用時に日本語フォントをきれいに表示する - movements/directions of me, dokumorifontconfig-voodoo -cと入力すると、'No config'というような返事が返ってきたので:sudo fontconfig-voodoo -s ja_JPと入力して再起動したら、appearanceで設定したとおりになりました。
このとおり、まだまだ詰めるべきところは多く残っている。
しかし日本語環境の追加に必要なソフトウェアをネットから取ってくるのは実に秀逸であり、この点では OS X のちょっと先を行っているのではないか。iPhoneをアップデートするのに250MBもあるファイルをネットで平然と配布しているアップルが、未だにOSをDVDで配っているのは少し滑稽ではある。
もっとも、いくらパッケージ管理システムの堅牢さに甘えて、未だに何でもかんでも/usr
に詰め込んでいるのには、BSD派としてはたまらない。
dankogai@dan-vmware-gos:~$ ls /usr/bin/|wc 1290 1290 13524
文字通り、どんだけ、である。.debの秀逸さは、Linux distroのディレクトリ構成の不味さの裏返しなのかも知れない。
なにはともあれ、充分に使えるソフトェア、それを管理するためのシステム、そしてそれらを支える高速な回線の三つがそろった今、それを実にいいタイミングで、実に上手にまとめたのが Ubuntu なのではないか。
Viva! Ubuntu!!乗り越えねばならない課題が多数あるにもかかわらず、Ubuntuは確実に「キャズム」を超えつつあるように思えます。
けだし同感。しかも Microsoft が Vista の失敗でそれを後押ししてくれているのだから面白すぎる。
そういえば、Ubuntuを立ち上げたMark Shuttleworthという御仁は、Verisignの独占をThawteで切り崩した人である。それをVerisignに売って宇宙に行ったおつりでUbuntuは運営されているのだが、今度はMicrosoftの独占を切り崩すことになるのだろう。
しかしその顛末は何だろう。まさか Thawte の時のようにはならないだろう。なったらなったらで面白そうだな。Microsoft Linux が出たりして(そういえば Xenix ってどうなったんだっけ)。
それにつけても、仮想化ソフトのありがたさよ。「OSをちょっと使ってみる」のに、これなしではとても「息抜き」程度には出来なかった。こんなこともお茶の子さいさいである。
仮想化のおかげでOSの上にOSが乗り、その上で動くブラウザーの上でjavascriptとflashが動き....全く面白い世界である。
Dan the Man with Too Many Layers of Software to Peel
「影響が出るかも知れません」程度の「警告」で満足してんだから満足さしときゃいいんだよ。