そろそろ紹介しないと。

初出2008.09.16; 今月末まで更新

弾言していたら、それが本になってしまいました。

こんな本です。

弾言|アスペクト ASPECT ONLINE
仕事がない、給料が安い、休みが少ない、人付き合いに疲れる、恋人ができない、やりたいことが見つからない、老後が心配……。
世界でもまれな、豊かで安全なはずの国、日本では大勢の人が今日もため息をつきながら生きています。いったいなぜなのでしょう。
政治家が無策だから? 教育がなっていないから? 大企業が搾取するから?
なるほど、どれにも一理あります。だからと言って、あなたが今すぐ政治や社会をどうにかできるわけではないでしょう。まず、あなた自身ができることから始めてみませんか。
そもそも、あなたがうまくいっていないのは「なぜ」か、真剣に問うてみたことがありますか。本当に問題なのは、いったい何なのでしょう。
それを考えるのは、非常に難しそうです。テレビや新聞を見ているといろいろなことがわかったような気にはなりますが、そこにあるのはあなたの「なぜ」に対する答えではありません。
実は、考えるためのヒントは「会社」にあります。会社の経営がうまくいかなくなった時、経営者はまずどうしますか。現状分析に必要なさまざまなデータを集め、問題を洗い出し、対策を練るでしょう。
個人でもまったく同じことが言えます。自分に関する正確なデータを集め、それを元に対策を考えるというプロセスが肝要です。その時に、会計で使われるバランスシート(貸借対照表)の考え方が非常に役立ちます。金銭面での収支が明確になるだけでなく、自分の価値を向上させる手がかりとなるのです。
この本では、バランスシートに基づいて世界をヒト、モノ、カネという3つの要素に分けて考えます。実体のあるモノを、人間の知恵(ヒト)によって活かし、カネという価値を生み出しているというわけです。このように世界を定量的に捉えることで、自分の問題点や取るべき行動がすっきりと見えてくることでしょう。
みなさん1人1人は、自分という「会社」の社長で、かつ筆頭株主です。人生の負債を減らして利益を上げ、上手に自分を経営していきましょう。

そうです。ばりばりの一般書です。私がこんなことを書いていいのか、というぐらい。いや、正確には私は書いたのではなく語ったのです。本書は「語りおろし」です。その私のとりとめもまとまりもない話を、読んで耐えるような文章にしてくれたのが、山路達也さん。著書に「進化するケータイの科学」などがあります(良著)。本書が「単著」でないのは、それが理由です。

さらにそれに絵をつけてくれたのが、大塚砂織さんと片山菜穂さん。あのわけのわからない私の語りが、これほどわかりやすくなったのには著者が一番驚いております。

そして「弾の語りを本にしよう」としたのが、アスペクトの貝瀬さん。弾言します。よくそんな無茶なことをお考えになりましたね。そしてそれを実現させてしまうとは。

頂いた見本をあえて「赤の他人」が書いた本として一読させていただきましたが、実に楽しい一冊でした。「だれこいつ?あきのこないやつだなあ」「あ、おれか」という感じで。

「弾言」は、9月25日発売です。本屋さんによっては来週開けぐらいから入手可能になるとのこと。税込み1,500円のアマゾンプライス。よろしければ一冊。

Dan the Author Thereof

目次 - 山路さんのblogより拝借
第1章 ヒト part1
 ――自分の価値を「見える化」してレベルアップ
自分で打てる手はいくらでもある
暮らしがキツいのは、モノ扱いされているから
自分という会社を建て直す
カネ以上に時間を節約すべし
会社員こそ内職すべし
会社の辞め時を知ろう
読書は最強の自己投資
本に付箋を貼ってはいけない
貴族の義務を負うことになった平民
情報洪水に溺れない
情報に飢えよ
現在の自分を正確に知る
一度は物事にとことんハマれ
いいゲーム、悪いゲーム?
のび太はアルファギーク
楽しんで学ぶ「楽習」で生き残る
ブログは最強の勉強ツール
世界は「無記名の」善意に満ちている
積極的に「待つ」という高等技術
ウィンプ(弱者) vs. マッチョ(強者)
究極のエゴイストになる
強さとは何か
生きる目的は「手段」
第1章のブックガイド

第2章 カネ
 ――相互理解のツールとして戦略的に使いこなす
カネの誕生
カネは相互理解のためのツール
暴走するカネ
自分の収支をバランスシートを使って考える
バランスシートの質を見極める
借金をすることの本当の意味
仕事と借金は本質的に同じ
会社にとっての借金
買掛金で資金を調達する会社の裏技
なぜストックが必要か
人と人を結ぶカネ
インフレはなぜ起こる?
カネは、ヒト=ファンタジーとモノ=リアリティーでできている
少子高齢化で変わる世界
よどむカネ
自分の知的生産を測定する
自分の「棚卸し」をしてみよう
自分が属する業界構造を理解する
自分が勝てるゲームを作る
第2章のブックガイド
第3章 ヒト part2
 ――ネットワークにおける自分の価値をアップする
コネの価値はいくら?
コネを見える化するのが会社
バラバラな個人の集団に過ぎなかったオン・ザ・エッヂ
日報を書くことを義務づける
適切なサイズの仕事をする
伸びる社員と伸びない社員は何が違う?
報告書を提出するまでが仕事
人と付き合うためのインターフェイス
「データホテル」プロジェクトの苦闘
「衝突断面積」を増やす
カネをよく理解している中国人
会社の辞め方
人付き合いのパラダイム転換が起こっている
カネで考える人間関係
方程式で「モテ」を計算する
類が友を呼ぶのはなぜ?
ネットワークにおける自分の価値を上げろ
「休み」を安く見積もるな
社会にかかるコストを計算する
「心」で受け取る報酬もある
心とカネの為替レート
第3章のブックガイド

第4章 モノ
 ――「本当は所有できない」ということを理解する
増やせないのがモノ
石油がなくても自然破壊は起こる
「モノ」は増やせない代わりにいくらでも回せる
エネルギーは、あらゆるゴミを資源にする
太陽エネルギーの効率利用が世界を変える
日本は「都市化」を進めるべし
モノへの執着が人を惑わせる
モノのカネ化が世界を平和にする
世界から借りたモノを世界に返す
ベーシック・インカムは、ストックをフロー化する
まとめ:モノとヒト、カネの関係を改めて考える
僕たちの宿題
第4章のブックガイド