その青木さんより訳者献本御礼。
404 Blog Not Found:予約開始 - WEB+DB PRESS Vol.47で、今回インタビューしたのが、Fine Software Writingsの青木さん。Webの世界で最も読まれている翻訳者ではないでしょうか。
読了して、嘆息。
「ああ、これがダイヤモンドや東洋経済や日経BPやディスカヴァーや日本実業出版や...[以下略]...という『スーツ系』出版社から出ていれば」。
翔泳社には大変申し訳ないのだけど。
本書「Eric Sink on the Business of Software」は、タイトルどおり、実際に独立系ソフトウェア会社(Independent Software Vendor = ISV)を経営している著者が、その要諦を一冊の本にまとめたもの。
しかし、本書は決してISVの経営者のためのものではないのだ。およそ「小さなサービス業」であれば、本書の知見はどこでも応用可能であり、そして内容の広さ、濃さ、そして面白さにおいて、本書はこの一年で私が読んだSOHO指南書のトップなのだ。
目次 - どこにもないので手入力
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一言で言うと、「ギークだけに読ませとくにはもったいない」ということである。
だからこそ、ギーク向け出版社から出た原著を、ギーク向け出版社が翻訳し、ギーク向け価格で出しているのが惜しいのだ。
A4、横書き、280ページで2,980円。これは技術書としては一般的な値段だが、一般ビジネス向けのフォーマットではない。
そして今や日本語blogosphereきっての「本売り」であると同時に複数の本の著者となった私には、このフォーマットの違いがどれほど売れ行きに影響をもたらすかを悲しいほど知っている。「弾言」と「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」のどちらが面白いかというのは、「長女と次女のどちらがかわいいか」という質問と同じく、「どちらも面白い」と「父」としては答えざるを得ないが、単純にかかった時間から行けば後者であるし。著者以外の意見もふんだんに入っている以上、より「外れにくい」のも後者ということになる。
しかし、前者は後者の倍以上売れている。値段は同じであるにも関わらず。
悲しいかな、出版社や体裁や単価もまた「メッセージ」であり、そして購入にあたってはこれらの「メッセージ」の方が「内容」より重視されるのだ。それらの「メッセージ」が一般向けであればあるほど売れるというのが、悔しい現実ではある。
「誰が言っても1+1は2」
これはマーケティング的には事実ではない。「どの出版社がどんな体裁でいくらで出したのか」でその言説に耳を傾けてくれる人の数は変わってしまうのだ。ギークは比較的そのことから免疫であり、だからこそギーク向けの図書には高価格を設定できるのであるが、しかしギーク向け出版社はそのことに甘えすぎてはいないか?
いいものは、いい。
しかし、いいものがいいことを伝えるのは、いいものを作るのとは別の技術でもあるのだ。
だ、か、ら。
ギークならざる読者のみなさん、だまされたと思って読んでみて下さい。そこらの1,500円本を二冊買うよりもずっと得るものは大きいということは弾言しますので。
Dan the Geek

さきほどamazonで発注しました。
楽しみに読ませていただきます。