生物界って広いなあ、と一通り感心した上で、
植物のDNAと融合し、太陽エネルギーだけで生きているすごいウミウシ - GIGAZINE人間の場合は残念ながら、食べたものは全部消化してしまうのでこのようなことは起こりそうもない、ということですが、人間に応用できれば食糧危機に対する切り札になるかもしれません。
それが人間でも可能かを検討してみる。
で、結論から言うと、Elysia chloroticaには出来ても、Homo Sapiensには無理、ということになる。
ヒト一人が必要な食物が、おおまかに2000Kcalだとする。Jに直すと 8908KJ、およそ9000KJ(a)ということになる。一方、太陽から地表に届くエネルギーは、1000W/m2。これに一日の長さをかけると、1m2あたり86400KJということになるが、夜を考慮すると43200KJ(a)がその答えとなる。単純に(a)を(b)で割ると、必要な表面積は0.21mということになる。これくらいなら私の背中でも十分そうだ。
が、当然のことながら、おてんとさまの恵みをすべて糧にするわけにはいかない。そしておてんとさまの恵みを糧とするにあたって、光合成というのは実はそれほど効率がいいわけではない。具体的にどれくらいかというと、「太陽電池を使いこなす」(P. 138)に、「イネの変換効率は0.169%」という数字が出てくる。この通りだとすると、必要な表面積はなんと124m2となる。なんと家一軒分である。
ヒトは大食いすぎるのだ。
これは、なぜウミウシ君は光合成でおなかいっぱいになってくれる理由でもある。ウミウシは変温動物。そして「ゾウの時間、ネズミの時間」によれば、変温動物は同じ体重の恒温動物の1/30しかメシを必要としない。ヒトにあてはめると4m2、一坪半ほどだ。これなら何とかなりそうだ。やっぱりてるよ様は光合成ニートなのだろうか。
「光合成するヒト」というのは、SFでは「グリーン・レクイエム」の他にも豊田有恒の作品でもお目にかかったことがある(作品名失念)が、ヒトが鳥のように自らはばたいて飛ぶのに通じる無理がある。もっとヒトを省エネするか、変換効率を高めるかするしかないのだ。
ところで、なぜ葉緑体は太陽光で最も強い緑を捨てているのだろう。目はそのあたりの波長に最も敏感なのに(TVの信号も、そのため半分以上は緑の成分)....
Dan the Heterotroph

2000Kcalなら8380KJですぜ。