しごくまっとうな法改正。

livedoor ニュース - [改正国籍法]成立 婚姻要件を除外 最高裁違憲判決受け
未婚の日本人父と外国人母の間に生まれた子が日本国籍を取得する条件から「両親の婚姻」を外す国籍法改正案が、5日の参院本会議で賛成多数で可決、成立した。両親の婚姻を定めた国籍法3条を違憲とした最高裁判決を受けた措置で、年明けにも施行され、父親の認知だけで子の日本国籍取得が可能になる。

まっとうでなかったのは、それに対する反応。

改正国籍法成立雑感 - いしけりあそび - Yahoo!ブログ
今度の改正は、最高裁判決が出ているので改正案以外に変えようがない(DNA義務付けが無理なんて法律のプロならわかることです。)という事情、専門家からは長年にわたって問題点として指摘された点を、諸外国でとっくの昔に実施し、国際的な人権規範で認められた最低水準にあわせるだけという内容の穏当さ、生後認知された非嫡出子に国籍を与えるに過ぎないという影響力の小ささ(法務省は年間700人程度といっているらしい。過去分がどのくらい届出るかわからないが、まあそんなもんでしょ)、改正案の審議の段階から報道されているという内容のわかりやすさ(報道されていないなんてウソですよ。)、いわれのない差別の解消の必要性という大義名分、・・・もっともモめる要素のない法案だった。
それが、衆議院の可決直前になって、デタラメな情報がネット上に飛び交って、議員も巻き込んでの大騒動。法案の趣旨は完全に没却され、あたかも偽装認知防止法を議論しているかのようだった。

私としても、この件に関して言えばこれ以上付け加えることはない。

けれど、なぜ「デタラメな情報がネット上に飛び交って、議員も巻き込んでの大騒動」になった理由が、未だに理解というか得心できない。なぜこれほど外国人好きの国民が、いざ外国人に国籍を与えるとなるとあれほどかたくなになるかということだ。

日本人は、どう見てもXenophobia(嫌外国人)ではない。Xenophobicな事件が皆無という訳ではないけど、少なくとも開国して以来ジェノサイドやポグロムに匹敵する外国人/異民族排斥事件は起こしていない。むしろXenophilia(外国人好き)だろう。「国技」のトップが外国出身でもOKだし、「外タレ」なんて言葉もある。街を歩けば世界中の料理があるし、行き交う人々は外国人に親切だ。私の家にはよく外国人が遊びにくるのだけど、言葉の問題を除けば日本がいかに外国人にとって住みやすい国かを異口同音に語る。

なのに、なぜ「好きな」はずの外国人が日本人になるのをそんなに嫌がるか、それがわからない。

そもそも、およそ参政権を除けば、法の下の平等という点においては日本人も外国人もほとんど変わらない。モノどころか土地や会社ですら買うことができる一方、罪を犯せば外交特権でも持っていない限り日本人と同じように罰せられる。もちろん納税の義務だってある。日本の法が誰に及ぶかは、それが誰かではなくその人がどこにいるかによって決まる。「日本人か否か」より、「日本に住んでいるか否か」の方が大事なのだ。

そうやって考えてみると、生まれながらに日本国籍を与えられている私から見ても、日本国内にいる限り日本国籍というのがそれほどおいしい特権には感じられないのだ。むしろ日本国籍の強さは、日本国外においてこそ発揮される。日本のパスポートの強さは切り札クラスだ。

だから、「そもそもそう簡単に外国人を入国させない」ことであればまだ話はわかる。「既得権を守りたいから」という理解が出来る。私がそれをよしとするつもりはないが、少なくとも理解は出来る。「日本のおいしいところだけもって」行かれたくなければ、外国人を入国させないのが一番よいのだから。しかし日本はそうではない。入国だけであればむしろ合州国などよりも簡単だという声もある。

なのにどうして国籍を出し惜しむのか。

そこがどうしてもわからない。

Dan the Japanese by Accident