実は、それがすでに成されている例がすでにある。

これって単にレトロな共産主義幻想なのか - くらやみのスキャナー
で、財源をどうするか。年間約200兆円。GDPの半分? 年金や公共事業なんか必要なくなるし、景気も良くなるはずだからその分も見込めるとして、でもたぶんぜんぜん足りないだろう。

そしてそれは、なぜ

だけど、足らないからできないと断ずるんじゃなくって、そこをどうやったらできるようになるのか、頭のいい人に考えて欲しいわけです僕は。

が駄目な理由でもある。

それが、人口が少なめの産油国。

その様子がどんなであるかは、「アラブの大富豪」に詳しいが、このアラブの大富豪たちは、単に「頭がいい」だけではなく、気前もいい。自ら全員に「20万円を全員に配って」いるわけだ。

そこに、罠がある。

404 Blog Not Found:油売るだけがとりえじゃない - 書評 - アラブの大富豪
それにしても、本書を読んで認識を新たにしたのが、アラブの大富豪たちが、いかに最高の「民主主義の敵」としてすごいのかということ。彼らが暴君だからではない。その逆だからだ。彼らはその富を気前良く民衆にも配る。中東産油国に税金はなく、社会資本もすべて王族が面倒を見てくれる。権利はないが、それ以上に義務もない。そして王族に優れたものがいれば、民主主義のややこしい手続きなしですぐに辣腕を発揮できる。

そう。「頭がいい人に考えてもらう」、というのは、「頭のいい人に逆らえない」ということでもあるのだ。それでもいいなら、「全員に20万円配る」社会というのは難しくない。国民主権をたとえば天皇にでも返上して、果実はいったんはすべて天皇のものということにしておいて、臣民となった国民は下賜を受けるようにするだけでよい。

それをおとなしく受け取っているだけならよし。しかし少しでもそれに異を唱えたら不敬罪。私なんぞ真っ先にしょっぴかれるだろう。私としてはごめんこうむる。

以前にも言ったが、私は社会にバカにも優しいことを望みつつも、バカであることを後押しするような社会はまっぴらである。ベーシック・インカムの額を私が「低め」に設定したのは、まず第一にそうでもしないと財源が足りないからでもあるが、仮に財源問題が解決したとしても、やはり「口止め料」よりは安く設定しなければならないと信じている。なんとか飢え死にはしないが、しかし満足には足りない。それくらいが、ちょうどいい。

Dan the Taxpayer

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