彼ら努力家に足りないのは、温情じゃない。

おごちゃんの雑文 ? Blog Archive ? 努力家は冷たい
時々自分でもこんなことを書いちゃいがちなんだけど、「努力家」の類って努力しない人に異常に冷たい。

努力そのもの、だ。

努力なるものを続けていれば、いやでも二つのことがわかる。

一つは、努力がどんどん楽になっていくこと。同じだけ力をかけても、昨日より今日の方がずっと仕事が進む。少なくともそういう気分になる。ランナーズハイという言葉があるが、そんな感じ。

もう一つは、努力には当たり外れがあるということ。努力が成果に化けるかどうかは、どれだけ努力したかという「努力の量」よりも「どちらに向けて努力したか」という「努力の向き」の方がずっと重要なのだ。

すると、どうなるか。

努力家に見られることが、恥ずかしくなるのだ。

そして、「いかに努力を少なくするか」に努力するという「メタ努力」が始まる。

それを達人は、怠慢と呼ぶ。

#1 プログラマーの三大美徳その1「怠慢」:ITpro

LAZINESS

The quality that makes you go to great effort to reduce overall energy expenditure. It makes you write labor-saving programs that other people will find useful, and document what you wrote so you don't have to answer so many questions about it. Hence, the first great virtue of a programmer.

怠慢

全体の労力を減らすために手間を惜しまない気質。この気質の持ち主は、役立つプログラムを書いてみんなの苦労を減らしたり、同じ質問に何度も答えなくてもいいように文書を書いたりする。よって、プログラマーの第一の美徳である。

こういうことである。

はてなブックマーク - hirokidaichiのブックマーク - 2008年12月14日
いくつも理由を書くとダンコガイ先生が一つにまとめて…という常套パターンにハマるのか?

というリクエストにお応えして(笑)、

を一つにまとめると、

その方が国民に求められる努力が少なくて済むから

ということになる。

努力しない人を国家が救済すべき14の理由 - 分裂勘違い君劇場
ただ単に、そういう社会をこの国の多数派は望んでないから、そういう政策を掲げる政治家が選挙に当選することはない、というだけの話。スラムや子供の乞食がいる社会を望む人ってのは、なかなかいない。そして、この社会は多数決原理で動いているんだ。

そういう社会を望んでいたのが、ついこないだまでの合州国だった。少なくとも多数決原理の結果はそういうことになる。しかしその国民が払っている所得税がどれだけ大きいかを知っている人は意外と少ないのではないか。

「反貧困の学校」P. 161によると、日本の個人所得課税はわずか16.7兆円(2005年)なのに対し、かの国では2004年で93.3兆円(2004)。見ての通り、あのGeorge W.の政権下でこれだ。人口規模で調整、すなわち日本と同じ人口だったらと仮定しても40.6兆円、経済規模で調整、すなわち日本とGDPが同じだったらと仮定しても31.5兆円。倍近くあるのだ。

面白いのは、仏独も人口ないし経済規模で調整をかけると、30兆円から40兆円になること。一番面白いのは英国で、規模調整すると50兆円近くになるのだ。

もちろん日本のそれは年金や保険といった「事実上の所得税」を含んでいないし、消費税率が仏独はずっと高いので一概に比べるのは乱暴なのだけど、自業自得を国是にすると、かえって負担が大きくなるというのはよくわかる。高福祉国家の方が、かえって税金の効用が大きいのだ。

情けは人のためならず、なのだとして、情けは無差別にかける方が報われるのだ。

Dan the Lazy One

See Also: